Solitaire trap in the abyss of the existence of the human. We must get it over.
神に立ち向かう物語。最後は主人公はそれこそが一人遊びの罠と気付く。「sense off」「未来にキスを」よりもメッセージが抽象的なので何とも言葉にしにくい。「他者」とはあくまで主観的意識に依る所の「他者」であって、超越的な神の視点、つまりは「外部」から「私」と「他者」を規定することは出来ない。(この認識こそが一人遊びの罠である。)「外部」とはあくまで「内部」の中で構築された「外部」に過ぎず、それを理解した時に物語は閉幕する。結局のところ神なんてものは存在しなくて、一つ一つのフィクションに意味を見出していくしかないというお話。舞台設定に踊らされた主人公が紡ぐ悲しい(だけど最後に救われた)フィクションだった。どうでもいいけど痛みからメルンとの繋がりを感じる場面はゾクゾクして良かった。
やはり絶対的な他者との意思疎通の不可能性からコミュニケーション法について論じる元長作品は面白いと再認識。本作は主観的意識(自意識)の問題だけに留まっているけど「sense off」「未来にキスを」をやり直したくなった。