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okjさんの九十九の奏 ~欠け月の夜想曲~の長文感想

ユーザー
okj
ゲーム
九十九の奏 ~欠け月の夜想曲~
ブランド
SkyFish
得点
75
参照数
3897

一言コメント

こ、これは!?立ち絵に隠しきれない秘密(笑)を発見!

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

本作品には十二支に関係する九十九神が登場しますが、一部のキャラは立ち絵を見ることによってどの十二支の九十九神と関係があるのか想像できたので、物語を読み進めるのがより楽しめて良かったです。キャラと九十九神の関係(どの十二支なのか)が分かっても、物語的に重大なネタバレにはならないと思いますがプレイ予定の方がいるかもしれませんので最後の方に書くことにします。(たいしたことではありませんので、期待しないで下さいね!)こういった遊び心は好きなので、出来れば全部のキャラにネタを仕込んで欲しかったですね~

内容については、非常にもったいないの一言です。メインストーリーは1本道で全体の7~8割ぐらい占め、選択肢によって細部が変わります。個別ルートは短いです。なので初回プレイ時には一番好きなキャラを攻略することをお勧めしますが、人によっては好きなキャラのエンドがないのです、玉ちゃん。

不満点は大きく分けて二つあります。Hシーンのキャラと構成、そして人と妖(九十九神)の関係です。まずHシーンのキャラと構成に関してですが、気になったのはエロゲ製作にあたって物語が先か?エロが先か?という点についてです。プロットを経てシナリオは作成されると思いますがプロット段階でエロ要素(どのキャラと?Hシーン回数は?など)も入っている手法なのか、それともプロット段階では物語性を重視してエロ要素は抜き(または最小限)で構成し、シナリオを作成する際にエロ要素を追加する手法なのかということです。もちろんエロゲが面白く楽しめれば、その過程はどうでもいいことかもしれません。ただ本作品はHシーンのキャラと構成についてバランスが悪く感じられたので、後者のような物語性を重視した作品作りに見えたのです。

立ち絵がある女キャラはメインヒロインの伏姫、主人公の義姉の鳴、同じ専門学校に通う愛那、従姉の花蓮、名家のお嬢様聖月、聖月を崇拝する李砂、謎の不気味な少女玉梓、他3人で計10人います。その中で個別エンドがあるのは伏姫、愛那、花蓮の3人です。ところが物語の出番が多いのは主人公を除くと伏姫、玉梓、鳴という印象です。その後に愛那、花蓮でしょうか?やはりキャラの登場機会が多いとそれだけ掘り下げることが出来るし愛着が湧くと思います。攻略キャラが少なければ個別ルートは長く、攻略キャラが多ければ個別ルートが少しくらい短くても満足できると思うので、個別ルートが短い本作品において玉梓や鳴の個別エンドがないのは非常に残念です。特に玉梓は伏姫と対の存在だと思うので、玉梓エンド(個人的には門を開いて常世に行く)は欲しかったです。表パッケージに伏姫と玉梓のふたりだけの絵がありますが、伏姫しかエンドがないのはバランスが悪いですよね~。

Hシーンの内訳ですが、Hシーンは全部で16回(伏姫:3、愛那:4、花蓮:4、聖月:3、鳴:1、他:1)ありますが主人公との本番シーンはわずか8回しかありません。(伏姫:2、愛那:3、花蓮:1、聖月:1、他:1)花蓮は4回のHシーンがあっても本番は1回だけ、選んだ選択肢によって聖月とのHシーンがある場合とない場合に分かれますが、花蓮と恋人になった後でも聖月とHする場合があり一途な主人公のはずなのにどうしてこうなった!?また花蓮ルートの場合、花蓮と恋人になった後でも花蓮の出番が少なく、主に活躍するのは主人公、伏姫、鳴のトリオであり最後に少しだけ活躍できる程度なので、シナリオ構成も悪かったのではないかと考えます。

食品業界では2005年頃から濃い・濃厚などのコンセプトの商品が増えていますが、近年エロゲでも濃いエロの傾向があります。どのメーカーが最初に始めたのか分かりませんが、萌えゲーなどではHシーン1キャラ3回ぐらいが基本となっています。また1シーンでフェラ+挿入のように挿入にプラスアルファをする場合や2回戦3回戦に突入する場合もあります。また差分CGの増加、局部アップなどHシーンの内容は濃くなっています。そう考えると本作品のHシーンは薄くて寂しく物足りない、CGの魅力を伝えにくい構成になっているのです。つまりエロ要素を含めたプロット作成が重要だと考えます。

もうひとつの不満は人と妖(九十九神)の関係についてです。人は九十九神の力を求めて、そして九十九神は人の心(記憶)と命(寿命)を求めて両者は共存共栄の関係だと思っていたのですが、そのバランスが人側に偏っているように見えるのです。心と命を与えるとはいえ、九十九神が人のいいなり(都合がよい道具)のように見えることがあります。一部を除き九十九神の意志があまり見られないのも残念でした。人と九十九神の絆についての描写がもっと欲しかったですね。

そういえば物語の中盤ぐらいから誤字脱字がいくつか見られました。他と比べると力の入った序盤のシーンや全体のシナリオ構成などから考えると、発売日に間に合わせるために急ピッチで製作したように見えます。初回プレイが楽しめただけに、もったいないな~という気持ちでいっぱいです。



最後に立ち絵に隠しきれない秘密(笑)ですが、対象キャラは、伏姫、鳴、愛那、花蓮、聖月、李砂になります。十二支は子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の12種類ですよね。キーワードはズバリ『髪型』と『アクセサリー』です。






いらないと思いますが、もっと具体的なヒントです!
伏姫:髪型がわ〇このようですね!
鳴:エプロンのバナナバッジ!バナナが好きな動物といえば?
ちなみに苗字の百日紅=〇滑ですね!
愛那:髪飾りは何の羽根でしょうか?
花蓮:耳のピアスとネックレスは蹄鉄!
聖月:髪型はお団子頭です。お団子頭で有名な美少女戦士主人公の名前は?(古いよね……)
ちなみに名前の読みは聖月(みつき)=三月ですね!
李砂:頭につけたバンダナの柄は?