ErogameScape -エロゲー批評空間-

okjさんのDolphin Diversの長文感想

ユーザー
okj
ゲーム
Dolphin Divers
ブランド
AXL
得点
65
参照数
828

一言コメント

今日もイルカを求めて僕はプレイする。けれどイルカどころか一匹のお魚も見つけられない。おかしいな~、オープニングには魚影が見えたのに。テキスト上にはたくさんのお魚がいるらしいけどCGには見えないんだって、不思議だね~。テキストとCGが奏でる不協和音が、凪ノ島の魅力だけでなくヒロインたちの魅力も半減させているように感じられたのです。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

共通ルートで約30シーン、個別ルートでも約30シーン。
ひとつひとつのシーンは完結していてなかなか楽しめます。シナリオ面からみると、AXLの作風はさながら週刊漫画の一話完結タイプのようだ。その為テンポがいいのが特徴になります。ただシナリオ全体を通してみると、盛り上がりに欠けるきらいがあるようです。

例えば月海ルートの1シーン「家族の問題」で両親との確執が発生しても、2つ先のシーン「家族の誤解」ですぐに解決してしまう。主人公やヒロインが悩んだり葛藤する時間が短いので、ユーザーにとっては怒涛の展開を見せつけられます。その結果、ユーザーは置いてきぼりになってしまうので面白みを感じにくいのです。

これはキャラ萌えが視覚や聴覚中心になっているのが原因ではないでしょうか?
キャラの外見(容姿)・しぐさ・属性・声にはかなりの高得点をつけれますが、感情や行動からの感じられる萌えが圧倒的に足らないため、ユーザーの心に響きにくいのです。

そしてテンポがいいもとい、駆け足な個別展開はエロ中心になります。もちろんエロゲーですからエロは重要です。そう超重要です!!ですが個別√ではCGがある通常イベントがほとんどない為、キャラの感情や行動から感じられる萌えを表現する機会を失っているのではないでしょうか?非エロがあるからこそエロが盛り上がると思うのです!(最近、心に残る通常イベントCGが極端に少ない気がします)

個別ルートに入り、エロ特化させられたドルフィンダイバーである主人公の武やヒロインたちは、エロコミュニケーションという技能を生かし、ユーザーから発信されるカチカチというクリック音を頼りにお互いの位置を速やかに確認!そして初エッチに突入するのです。

ドルフィンダイバーとは、イルカの素晴らしい能力であるエロコミュニケーションを持つダイバーたちのことを呼ぶ言葉なのです。

……。ん?エロコミュニケーション?何か違うような気もするけど、まあ、いいよね。
そう、僕が探していたイルカは、確かにそこにいたのです。





<エコーロケーション>
前方に向けて発したイルカの声(クリック音)が物体からの反響を聴くことで、対象物の位置や形、大きさなどを知ることが出来るんだって、イルカって凄いよね~。