どんな作品にも言えることですが、子(キャラクター)は、親(ライター)を選べません。「はつゆきさくら」の不遇キャラ、シロクマにかけたい言葉は、それでも「卒業おめでとう」だったりする。
体験版未プレイ、事前情報なしの状態で購入した「はつゆきさくら」
タイトルに魅かれたのが購入の理由です。
オールクリア後の感想を一言で表すと、「グラデーションが少ない点画」でしょうか?
伝えたいことは何となく分かるけど、はっきりしない。
1日ごとの日常シーンやイベントシーンをひとつの点として、
真っ白な紙に点を描いていく。
初雪を描く所には多少グラデーションが見られるけれど、
他のキャラクターに対しては、グラデーションがほとんど見られない。
「はつゆきさくら」が初雪だけにスポットを当てた作品「はつゆき」だったら、
この絵の見え方も違ったかもしれない。
でもこの作品は「はつゆきさくら」、
パッケージ裏には、初雪から桜まで、卒業おめでとう-と書いてある。
そう考えて全体を見渡すと、バランスの悪いことに気付く。
シロクマを描くところは、極端に点が少ない。
他のキャラも大部分、物語の前半~中盤を描く所は点が少なく、
そして少しだけ、物語の終盤を描く所に点が密集しているのだ。
グラデーションが少ないので、少しずつ気持ちを盛り上げることが出来ず、
最後に怒涛の展開を見せつけられます。
一例ですが、
物語は冬、12月5日から始まり、春になるところで終わります。
なのにGraduationにおいて、桜から初雪に春夏秋冬の想いが語られます。
もし他キャラルートで春・夏・秋のイベントシーンを挿入しておけば、
もっと盛り上がれたような気がするのですが……。
さて、親(ライター)から愛情を貰えなかったシロクマに対しての
「卒業おめでとう」ですが、ズバリ生みの親からの卒業を意味します。
生みの親が駄目なら、育ての親が頑張ればいい。
シロクマを幸せにすることが出来るのが、育ての親になれる私たちでしょうか。
二次創作を作れれば凄いのですが、しあわせなシロクマの姿を考えるだけでも、
シロクマは救われると思いたいです。