好きなエロゲを聞かれたら、迷わずこの作品を最初に答えます。
まずはic+ccの作品の感想として、
見事なバランス感覚で、ダブルヒロインを両立させた作品だと思います。
白の雪菜、そして黒のかずさ。
付属祭のステージ衣装を見た依緒の感想の通り、コントラストは完璧!
本当にいろんな意味で、ね。
以下、ネタバレありの個人的な妄想。
今作品(closing chapter)では、雪菜がちょっぴり?出番が多いと思っている御不満なかずさ派のあなた!
ccは、春希のターンと雪菜のターン。
codaはかずさのターンと考えれば、バランスがとれてない……駄目?
ライターさんが一番苦労したのは、ダブルヒロインのバランスをとることだと思っています。
もし雪菜が初恋の相手だったら、icで物語は終了です。その為に春希の初恋は、かずさだったのでしょう。
しかし、このアドバンテージがあまりにも大きすぎた……。
だから雪菜は春希のターンでも、負けて、負けて、負けまくる必要があったのでしょう。かわいそうな雪菜、と思ったあなた!その瞬間、雪菜の(いや、ライターさんの)勝ちですよ!!
私も見事に負けちゃいましたが。
この作品は、主人公たちを色に当てはめて考えると面白いです。
雪菜は白、かずさは黒、そして春希は、灰色……。
春希を手に入れるためには、同じ色にならなきゃいけない。
雪菜とかずさ……ふたりのアプローチが異なるのが、さらに面白い。
雪菜は春希に裏切られ続けることにより、徐々に黒くなって、灰色に染まっていく……。
一方かずさは、灰色には、染まらない。
何故なら黒に灰色を混ぜても、灰色にはならないから。
黒は、何ものにも染まらないから。
だから、春希が黒になる必要があった……それが、かずさEND。
ただ春希が黒になるには、大きすぎる代償が必要だった。
残酷だけど、それが黒(日陰)の宿命……。
でも、でもね、黒が何ものにも染まらないなんて嘘だよ。
唯一、白だけが黒を変えられる!
黒に白を混ぜれば、灰色になるんだよ。
悲しいけど、春希の力だけじゃ無理なんだ。
白の雪菜がいれば、黒のかずさが灰色になれる。
黒のかずさがいるからこそ、白の雪菜は灰色になれたんだよ。
そうして三人が灰色なったのが、雪菜END。
でも、これは三人にとっての大団円じゃないんだ。
よく見ると、三人の灰色の濃さが違うんだよ。
雪菜と春希は、白が濃い灰色、かずさは黒が濃い灰色だから。
だから雪菜ENDは、雪菜にとっての大団円なんだ。
かずさが春希を黒に染めることを諦めた、もうひとつのEND。
春希の幸せを優先したかずさは、黒が濃い灰色に。
裏切り続けた春希を助けた雪菜は、白が濃い灰色に。
どちらにも染まることが出来る春希だした結論は、
黒と白が均等な灰色……!!!
なんて酷い!優柔不断な春希END!!
ほんと最低だよ、未決着なんて。
で、ライターさん、さらに3年後の続きがないんですけど。
WHITE ALBUM2 encore!!
紆余曲折の上、結婚した雪菜と春希。
そこに子供を連れた、かずさが登場!って展開は駄目ですか?FDで(笑)
書きたいことの2割も書けてないけど、長くなってしまいましたのでこの辺で。
妄想に付き合って頂き、ありがとうございました……。
あなたは雪菜派ですか?かずさ派ですか?それとも……?
あっ、ちなみに私は、千晶派です!!
☆2012年1月10日加筆修正
重要なCC加入組ヒロインの事が抜けていたなんて。
ファンの方、ごめんなさい……。
ライターさんが雑誌のインタビューで、「なし崩しの逃避で終わる話はひとつもない」
と言われていたことを勝手に妄想しました。
三人の役割は、icで傷ついた春希を再び雪菜と向き合わせる為の癒し手。
というだけではないと思う。
icでは三人が、一人と一人と一人になるという悲しい結末を迎えてしまいましたが、
icで三人が二人と一人になるための解答が、ここで書かれていたと思っています。
小春は本編で書かれていたように「小春希」であり、色属性は「灰色」
本物の小木曽雪菜に目指した千晶は「小雪菜」、色属性は「白に近い色」
かずさに少し似ていた麻里さんは「小かずさ」、色属性は「黒に近い色」
もちろん意図的に似せられた三人の性格。
icで、雪菜が千晶であったなら、春希と雪菜が、
かずさが麻里さんであったなら、春希とかずさが相思相愛に。
春希が小春であった時だけ特殊で、二つの可能性がある。
自らかずさに告白して、成功した場合がかずさと結ばれ、
失敗した場合、その後に雪菜と結ばれたと思う。
でも悲しいことに
春希のブレーキは決して壊れず、前に進むことが出来なかったし
雪菜は自分から舞台をおりて、春希をあっためることが出来なかった。
かずさには手助けしてくれる、かずさだけを味方してくれる親友はいなかった。
だからこそ、ic後の春希の選択によっては
小春と、千晶と、麻里さんと結ばれる幸せな未来がある!!
彼女たちはサブヒロインじゃない、立派なヒロインの一人なんだ!!!
☆2012年1月14日加筆修正
雪菜ロケット発射失敗!?
依緒の推力不足を補うため、朋ブースター誕生!!
依緒と武也といえば、基本ic→cc→codaで一貫して、春希と雪菜……ふたりの味方である。
武也は春希のことを一番優先している、まさに親友である。
しかし、依緒は雪菜のことを一番には優先していない。
あくまで春希と雪菜……ふたりの味方が第一優先である。
雪菜もそのことを分かっているからこそ、
朋の前と違って依緒の前では、黒い雪菜を見せていない。(ここ重要)
ccにおいて朋の役割は、
3年前に失ってしまった、本物の、ワガママな黒い雪菜を引き出すことと
再度歌を歌わせるチャンスを作ることだった。
そしてcodaでは雪菜の幸せを一番優先する味方になっている。
どうして依緒は雪菜の味方を優先できないのか?
依緒「あんたなら……分かるよね。雪菜のこと、三年も避け続けたあんたなら」
このセリフより、依緒が過去に武也を裏切って、傷つけたと推測できる。
つまり依緒の立場は、雪菜を裏切った春希のポジション。
だからこそ、雪菜を一番に優先できない。
依緒は、春希と雪菜(+かずさ)に自分の境遇を当てはめている為、
雪菜ENDにて、かずさが春希と雪菜を祝福するまで、
自分の恋は立ち止まったままだったのだろう。
惚れた弱みとはいえ、武也がかわいそすぎる。
依緒は過去のトラウマがあるから、
春希と雪菜を向き合わせる機会しか作れない。
ふたりの意志を尊重して、深く介入することが出来ない。
だから雪菜ロケットが発射して、春希に着陸させる為には、
依緒にプラスして、朋ブースターが必要だったのだろう。
ちなみに類似品として、麻里さんロケット用佐和子さんブースターがあります!!
☆2012年1月16日加筆修正
雪菜の歌、かずさのピアノ、春希のギターに込められた想い。
ic開始当初における雪菜にとっての歌は、
ただ単に好きという単純な理由ではない。
歌だけは譲れないという想いは、
過去のトラウマから自分の性格を変えたことよる影響であり、
ヒトカラで歌う時こそ、本当の小木曽雪菜になっていたと思います。
ic終盤で雪菜が春希に対して、
「わたしが春希くんに告白したのはね、
どうしてもあなたと恋人同士になりたかったから。……じゃ、ないんだよ。」
「ただ、ずっと三人でいたかったから、わたしを仲間外れにして欲しくなかったから」
というセリフがあるが、前半のセリフは、間違いなく嘘である。
というのは、春希がスーパーでバイトをしている雪菜(三つ編みメガネ姿)に
軽音楽同好会に誘うシーンがあるが、雪菜は知り合ったばかりの春希に対して、
夜10時という時間に待ち合わせして、自分の秘密を教えている!!!
そう、本当の自分をさらけだして、
得意の歌で春希を熱烈に口説いているのだ。
おそらくバイト終了後、急いで家に帰り、シャワーを浴び、
オシャレして来たに違いない。
そして歌い終わった後は、当然のように春希のすぐ横に座っていることから考えても、
ほんと、どんだけ春希に惚れてんだよ!!
これは三人になる前の出来事なので、
雪菜は春希と知り合ってすぐに、春希に恋をしていたと思っています。
恋のライバルかずさと出会うことにより、
雪菜の歌は、雪菜自身にプラスして春希への想いを込めた歌に変わっていきます。
かずさのピアノに対抗するために。
しかし春希の裏切りによって、雪菜は歌うことをやめてしまう。
一方かずさのピアノは、かずさ自身というより母親……曜子さんのためのピアノだった。
曜子さんに裏切られたという、かずさ自身の誤解により、ピアノへの想いを失っていた。
これがic開始当初のかずさのピアノである。
孤独なかずさに手を差し伸べた春希の登場により、
ゆっくりとかずさのピアノが春希への想いに変わっていく。
下手くそなギターとのセッションを繰り返すことによって。
さらに恋のライバル雪菜の登場により、一層ピアノが春希への想いを募らせていく。
雪菜の歌に対抗するために。
しかし雪菜と春希が恋人同士になり、また曜子さんと和解したことによって、
かずさのピアノは、叶わぬ春希への想いを消すため、
ピアノが好きだという想いと、曜子さんへの想いに変えようとした。
そして春希と雪菜からの逃亡。
距離を置くことによって、春希への想いを消そうとしたが、
たった一度きりの、届いてしまった恋のせいで、
ピアノの音色が、5年間で春希への想いをどんどん募らせていく。
危険な破裂寸前までに!!
だからこそ、曜子さんは日本公演を計画したのだろう。
春希のギターは、好きな女の子を口説くために始めたもの。
そして幸運なことに、好きな女の子……かずさから、ギターを教わることに。
数少ない接点を強化するために、春希はギターを練習する。
ic開始当初、春希の下手くそなギターは、かずさへの想いを不器用に奏でていた。
しかし雪菜との出会いによって、春希のギターには雪菜への想いが混ざり始める。
魅力的な雪菜の歌、心地よいかずさのピアノ。
春希のギターは、ふたりの想いをうけて、少しずつ上手くなっていく。
学園祭が終わり、いろんな出来事があって、
かずさも雪菜も想うことを許されない、
春希のギターは、下手くそに戻ってしまった。
そこから3年後、
雪菜を好きだという想いを胸に、春希のギターはゆっくりと上手くなっていく。
しかし皮肉なことに、このときの春希のギターだけでは、雪菜は歌を取り戻せなかった。
歌うことにより雪菜は、春希への想いと同時に、裏切りを思い出してしまうから。
春希を嫌いになってしまうから。だから歌を嫌いになったのに。
でも春希はギターを練習し続ける。
世界で一番好きな人は、楽しそうに歌う雪菜。
雪菜に嫌われても、本物の小木曽雪菜が好きなんだと。
この時、春希のギターは雪菜だけものになった。
雪菜は、春希が好きな本物の雪菜に戻るため、歌うこと決心する。
結果、雪菜の歌は、やっぱり春希への想いでいっぱいだった。
かずさENDで、かずさ以外全て捨てたはずの春希だが、
ギター……5年間の雪菜への想いのみ、捨てられなかった。
ただ一つ、雪菜が手に入れることができたのが、春希のギター。
雪菜ENDで、かずさが手に入れることが出来たもの。
それは雪菜だけの春希のギターを、半分もらったこと。
そして、
かずさのピアノが、変わらぬ春希への想いを奏でることを。
☆2012年1月23日加筆修正
雪菜の歌とかずさのピアノ<番外編>
負け犬とは呼ばせない。
雪菜VSかずさ……初対決は、実は雪菜の勝利!!
かずさに負けてばかりの雪菜ですが、
実は初対決は、雪菜が勝利しています。
そのシーンとは、
icでの三人の出会い……WHITE ALBUMです。
このとき春希は、雪菜の歌に惹かれて屋上へ行き、
かずさより先に雪菜を、軽音楽同好会に誘っています。
夏休みに、春希にギターを教え、
第二音楽室で、ピアノや他の楽器を演奏して、
春希を導いていたかずさにとって、
この出来事は相当ショックだったと思います。
何故あたしの所に先に来ないのかと、
あたしのピアノより雪菜の歌の方がいいのかよ、と。
音楽センスのない春希にとっては、
かずさのピアノの凄さが理解できず、
雪菜の歌が気になっただけかもしれませんが。
でも雪菜を優先したという事実が、かずさに与えた影響は大きく、
雪菜より先に、春希に告白する勇気がなかった理由のひとつかな?と思っています。
★嘘や誤解によるすれ違い、本物の春希、雪菜、かずさ
WA2では、各キャラクター達が様々な嘘をついています。
誤魔化す為の嘘だけでなく、他者を思いやるための優しい嘘、綺麗な嘘、
残酷な嘘、照れ隠しゆえの嘘、素直になれないゆえの嘘など。
それゆえ誤解が生まれ、哀しいすれ違いが起きてしまう。
そしてこの嘘が、プレイヤーを惑わせる!!
嘘に騙されているうちは、本当の春希や雪菜、かずさは見えない。
周回プレイを重ねることによって、彼らの新たな真実に気づく。
この作品を長く楽しんで欲しいというライターさんの気持ちが、
小説やドラマCD製作になったのかな?
ただプレイヤーは騙されたほうが、物語がより楽しめるという点がいいですね!
☆2012年1月24日加筆修正
雪菜ENDとかずさENDから妄想する
わたしの考えたWHITE ALBUM
だらだらと加筆した感想も、とりあえず今回で最後。
書きたいことの半分ぐらいは書けたかな?
で、本題ですが、最初に書いた通り、
いろんな意味で、ダブルヒロインをコントラストした作品がWA2です。
もちろん雪菜、かずさENDも見事に対比されています。
雪菜ENDは、icで壊れてしまった三人が、再び三人になるEND。
雪菜が春希を幸せにするENDであり、
世界に祝福され、幸せな結婚という結末が、明確に示されています。
対するかずさENDは、icで壊れた三人が、二人と一人のままのEND。
春希がかずさを幸せにするENDであり、
ふたりの孤独な世界で、結婚した春希とかずさのことは誰も知らない。
(曜子さんだけは知っていると思いますが)
普通なら、かずさENDは、ここで終わっていい。
ところがこの後に、雪菜からのビデオレターで、かずさENDは終わる。
ビデオレターのあとの結末は、明確に示されていません。
ビデオレターの意味は、
再び三人なる可能性がある未来を示しているはず!(もちろん長い時間が必要ですが)
(いつものように?)ライターさんは、非情になれなかった。
春希とかずさ、ふたりを幸せにしたかったのではないでしょうか?
そして、結末を明確に示さなかった理由は、
僕の考えた「WHITE ALBUM」を
みんな(プレイヤー)の考えた「WHITE ALBUM」に
して欲しかったのではないか……と。
愛する心の歌詞で、次の言葉があります。
それぞれの夢を選んで 別れる日来ようとしても
辿りつく道は必ず 同じ道だと信じてる
春希が雪菜を選んでも、
春希がかずさを選んでも、
再び三人になるのは変わらない。
これが私の考えたWHITE ALBUMです。
最後に、私が千晶を好きな理由です。
「あたしはね、本当はあんたの想いの深さを知ってるよ?」
「物語にしても遜色のない、あんたたちの綺麗な想いを知ってるよ?」
「ここまで引っ張ったんだ……。どうせなら、最後まで突っ走って
綺麗な物語を綺麗なまま完結させて欲しいな」