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oct41setさんの穢翼のユースティアの長文感想

ユーザー
oct41set
ゲーム
穢翼のユースティア
ブランド
AUGUST
得点
83
参照数
1500

一言コメント

最後が納得できるか否かがこの作品のキモ

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

プレイ時間16時間
CG枚数96枚+13枚
√は6つだが実質5つ
各endを迎えるとおまけが追加され、サブキャラのシーンも見られる。
CG回想ではバストアップ、BGも鑑賞できる。
またすべてクリア後にタイトル画面でブランドロゴクリックで小ネタが見られる。
シーン数はティア4、エリス4、コレット2、ラヴィリア1、コレット+ラヴィリア1
リシア4、フィオネ4、サブ3の計23枠

シナリオ

シナリオの展開の仕方はG線上やNG恋のように各章ごとにヒロインにスポットを当てて進めていくもの。
しかしヒロインの扱いにはそれとは違っている。
では何が違うのかというと各章でのメインヒロインの扱いの違い。
G線上やNG恋では各章でスポットの当たるヒロインが活躍しても
それと同じくらい、もしくはかなりの割合でメインヒロインもフォーカスされる。
しかしユースティアでは他のヒロインのメイン章ではほとんど活躍がない。
活躍がないどころが登場自体がそれほどなく、物語に関わることが少ない。
シナリオの統合性にしても他のヒロインの√では未来を望めるべくもなく、投げやりな印象。
結局黒い液体はなんだったのか?やそもそもティアの出自に関しての説明がなく、すっきりしない。
ティア√最後でも結局ティアは自己満足で死んで、主人公は空虚に、他はそれなりに~
という解釈しか成り立たなかったのは残念。
これはエピローグがないためにこれから主人公がどのような姿勢で生きていくのかを想像するしかないからなのだが
おまけの楽園幻想を見る限り、主人公はティアを救えなかったことを後悔しているように思う。
いつもの意味のない仮定だがああいう終わり方にするのなら各章でティアと主人公のエピソード、他のヒロインやサブとの絡みを増やして
ティアというキャラをもっと理解させる造りにしていれば最後の印象も違ったのかもしれない。
物語全体やメインヒロインの自己満足っぷりを見ればハッピーエンドといってもいいのかもしれないが
主人公はハッピーで終わってはいないのでいろいろな解釈が出来ると思う。


キャラクタ

ヒロインよりよっぽどキャラが立っているサブの皆さん。
という印象
章ごとにヒロインが変わる方法なのでリシアにいたっては最後の自分の章からしか出番がなく
ほかのヒロインも自身のメイン章以外ではそれほど出番がないので
キャラに愛着が持ちにくい。
メインヒロインが主人公に好意を抱く仮定がそもそも描写が少ないため仕方ないかもしれない。


グラフィック

個人的にすきな絵師さんなので満足。
「やっぱり違うな~」
とプレイ中におもう程度


総合・感想

いままでのブランドイメージから変えての挑戦作品。
これの成否についてはこれからの作品の売れ具合や周囲の評価が気になるところだが
個人的には合わない。
別にシリアスは好きだし欝系やダークものは好き。
でもいままでのブランドカラーどおりに最後にはみんなハッピーであってほしい。
キャラゲだろうが泣きゲだろうが納得のいく終わり方がほしい。
この作品はおもしろかった?
と聞かれれば間違いなく面白かった!と答える。
でもこの作品は好き?
と聞かれると
いやこの作品は好きじゃない
と答える。
この作品はすべて不条理だと考えればそれなりに悪くない