BGMが奏でる美しく穏やかなピアノの音色。透明なようでいて、水底に溜まった澱のような物が混ざっている。不思議な感覚
私は欠けている
欠けた私は相手に気を遣わせて傷つけてしまう
誰も私を知らない
私を知るのは私だけ
僕には何もない
だから僕は、君の為に。僕の為に
幸せはきっと丸い形をしていない。だからぼくらは幸せから外れる時に傷ついてしまうのだ。――けれども、幸せから外れても僕らには僕らの幸せがあるのだ
読んでいてすごく何とも形容し難い気持ちに襲われた。純粋無垢なわけではないけど、爛れてるわけでもない。褒められた関係ではないけど、きっとそれが互いに必要で。なればこそそれが幸せなのだろう。
時折語られる比喩も秀逸で、彼ら彼女らの(社会的な)不完全さを如実に表している。
大満足でした。