奇怪な(登場人物の多い)作品
※シリーズの第一部で続編があるのであくまで其の壱のみの感想です。
まず、この物語に主人公(それに準ずる個人)は居ないのではないか?というのが私の考えである。確かに、相良康生という男は物語の主軸を担い、彼を中心に全ての出来事が起こっているように見える。しかし相良康生という男の頭の中を「想像する事に意味はなく、その想像が合っていてもやはり意味はない」のだ。あくまで相良康生、七宮依子、七宮村(とその住人)、事件の被害者達。そして―ケダモノが織り成す群像劇のような物語だ。
そう考えた理由の一つが徹底した第三者目線で語られる文章だ。時折キャラクターの心情や脳内台詞などは描写されているが、あくまでそれは例外であり、地の文は徹底して淡々と“第三者目線”であり続けている。
ケダモノと相良康生の関連性、七宮依子と少女Aの瞳の傷の共通点、村の伝承の意味などなど考察の余地はたっぷりあると思うので続編が楽しみ
エロ傾向は苦手なジャンルなので何も言いません。強いて言えば依子様の指フェラとキスがエロかった。