沙紀ちゃんのシーンは総じて良かった。大人びている妹なので主人公よりお姉さんみたい。口調は刺々しいけど、兄の境遇を理解して協力的になるところまで描かれているのでそう嫌な感じはないかな。シーンはほぼ言葉責め。調教される側の心地になる、いい演技を聞かせてもらった。合格=ご褒美本番の図式が強いので、どうしようもなく焦らされてもどかしい点はある。
他の姉たちも、それぞれのやり方で優しく包み込んで癒してあげていてよい姉ゲー。 こんなヘタレはちょっと……って方にはおすすめできない作品ではあるが。共通部過ぎたら短い日常シーンと回想の連続だが、導入がすっきりと馴染んでくるのが大きい。各ヒロインの表情に関してもそうだが、梓さんのキスシーンにおける、舌を絡めて喉の奥まで舐めあうようなキス、というようなフレーズにひどくエロスを覚えたように、所々フェチッシュを抑えてきている。話やシーンの流れよりは、ひとつひとつの回想の作り込みというか巧さがよく味わえる、そんな意味で単なる抜き作品以上の何かになっている。
綺麗なお姉さんや家庭教師がいたら勉強に精が出るタイプではあるけど、勉強前に性欲処理とかいうのは合理的なものなんだろうか。と考えたところで、姉妹それぞれの方針での性欲解決&リハビリに翻弄されるに違いない。浪人生が受験に集中できるように失恋の心をHで癒す、というどこか不思議で美味しいコンセプトを素直に描いているのかなと。人生が上手く行っていれば大抵のことはよく思えてくるもの、ちゃんと姉を描けることは偉大だなぁと思える程に終始賢者モードと甘えモードとを好きなタイミングで反復横跳びできる心地良さだった。