すげーよく出来た物語だなと思った。ここまで見事に伏線回収してきたゲームは初めてかもしれない。 ぼくはサクヤ派です
まず第1の感想は、伏線回収というか物語の構成がすごい。全ての描写に意味があって後半でどんどん解き明かされてく。更に凄いのがその一つ一つが全部一定以上の衝撃度を持って明かされていく、極端に言うけど車輪のトリック明かされた時と同等レベルの驚きが5,6回あった。こんなん初めてだ。
あと凄いのが、捨てヒロインがいない。
こういう終わりが一つのゲームはどこかで重要度の低いヒロインが生まれてしまうものだと思うんだけど、今作はそれが無い。
どのヒロインも、居ないと明らかに物語が成り立たない、全キャラクターが重要な意味を持って存在している。
そして最後に、サクヤがずるい。前評判で伏線回収系の物語だってことは予想しててヒロインの心の機微というか、真に感傷的なシーンにはなかなかならないんかなと思っていたんだけど、サクヤだけは心情的にもかなり感動してしまった あの選択肢で下は選べねえわ。
で、否定的なところもいくつかあって、まずユネルート(ルートと呼んでいいのか?)はそんなに好きじゃない。なんでかっていうと、ユネがどうしてあそこまでの行動をするのかは最後までわからなかったから。あとシュウ君もこの特殊な状況の中なんだからもっと早く気づいてあげなよ!ってもどかしかった。
もう一つは、ファンタジー要素の扱いについて。こういう系のネタバレになるゲームはいくつかやったけど、だいたいファンタジーとリアルがきっちり区別された形で終わることが多いしその方がしっくりくるんだけど、このゲームは一部最後まで曖昧だったのが個人的には少し腑に落ちなかった。
ただ、そういった細々した不満点を覆い隠すほどに、ものすごくよく出来てた作品だった。