非常に素晴らしいSFでした。
序盤のハーレムラッシュと支離滅裂な展開に若干だれてしまいましたが、秋桜ルート辺りで世界の秘密が少しずつわかってきてから徐々に引き込まれ、終盤は夢中で読み進めていました。のどかな田舎舞台から始まり徐々に明かされる週末感のギャップや、終始ギャクタッチで進む中垣間見えるヒロインたちの異常性が良い味を出していたと思います。救いのない世界を耐え抜き最後には彼らのゴール(あるいはスタート)にたどり着きますが、頻繁に表現される「人間は生きているだけで他人を殺している」というフレーズを裏付けるかのような、綺麗だけれども決して優しさや幸せだけではない、余韻の残るラストもとても大好きです。非常に素晴らしいSFでした。