3つの夢が終わるくらいまでは気になるところもあったが悪くない。ラストはよい。でもその間が雑で興がさめる。
作風というかシナリオの流れもテキストも結構好きな方。
流れがきれい。それぞれの主要な登場人物がなぜこの行動を取っているのかがよく分かる。
きれいに舗装された道路。きれいな道路だけでは単調だけど、軽い笑いが単調さを消してくれる。
と最初のCASE3プレイ後は思ってた…
CASE2はすべてじゃないけど求めていたものが手に入るラストが好き。
ただ、主人公とヒロインが一気にくっついたように見えたのでそれぞれの心情描写してワンクッションおいてほしいと思った。
で、CASE1。
関わりを持ちたくない元妻が視界に入った状態で、隣に勘違いされる教え子がいるのにすぐその場を立ち去らず、結果的にヒロインと仲違いする、という場面があるがどうしてその場を動かずに、立ち尽くした、というテキストなのか。
普通はすぐ立ち去らないか?シナリオ展開上元妻に見つかる必要があるのは分かるが、じゃあなぜそこで主人公の心情描写すらせず立ち尽くしただけなのか。
別に展開が気に入らないんじゃない。少なくとも重要な場面ではそう行動せざるを得ないと読者に思わせるように書いてほしいんだ。
三つの夢が終わって主人公の記憶遡行から始まるCASE0。
まず大前提として忘れることができないという人が主人公のようにまともな人間になるかは疑問。世凪との結婚のあたりでは感情を露わにするところなどを見ると絶対まともな人間にならないよ。だってこういった感情を忘れることができないんだよ。この設定がすでに破綻していると感じてしまった。
まあここは最悪いいとしても、その他作りこみが甘い場面が多数。
青年期の主人公が下層は過酷だ、っていうけど少年期にはそんな描写がまったくない。
いきなり新宿という地名が出てきて困惑させる。
青年期の主人公とヒロインがどういう関係なのかが中層移住の話が出るまで文章上分からない。
寿命倍に伸ばしたり、病気を遺伝子レベルで改善できたりナノマシンあったりするのに認知症改善にそんな無力な訳ないと思えてしまう。
世凪は下層の人なのに遺伝確認はどうやって調べたのか。下層は過酷なんですよね。
前頭葉無し世凪助けるために脳をマッピングしたけど、今までさんざん検証したときは法則性もなしにランダムな反応していたのにここは何の問題もなく確認できた模様。
と出るわ出るわ。
別に重箱の隅をつつきたい訳じゃない。ここまで多いと興がさめてつまらなくなるんだ。
世凪の母に対する気持ちなんかはすっごく伝わって来るのに…!!世凪はちょうかわいいのに…!!遊馬と主人公が向かい合う場面だって好き…!!なんでこんなに雑なんだ…もったいない。
最後には主人公の記憶を外部出力して会話できるくらいのホログラムがあったので、もう世凪の記憶のバックアップ取ってアンドロイド移植すれば解決ではと思いました。まあ生体にこだわるのは分かるし基礎欲求欠乏症があると難しいのかもしれん。