玲亜、莉織の双子が天使でした。それと幾つかの個人的な不満点があった。
ALcot制作のPCゲーム「Clover Heart's」の紹介・感想です。
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1.概要
港を見下ろす街にたたずむ洋館で暮らす双子の兄弟、白兎と夷月。
噛み合うことができない二人は互いに満たされない日々を送っていましたが、
ろくに戻ってこない外交官の父からの突然の報で、ロシアから双子の姉妹、
莉織と玲亜を迎え入れる事になる。
屋敷や学園での時間を重ねるごとに、惹かれても戸惑って、
反発しながらも何かを感じあってゆく日々。
擬似恋愛や幼馴染の再来という新たな局面で発生する複雑に絡まりあった人間関係。
その決着と再出発により更に深まってゆくそれぞれの恋愛深度。
そして収束しつつも訪れる壁《兄弟》、《家族》、《過去》
を彼ら彼女らはどう乗り換えてゆくのか――
(Clover Heart's:ストーリーから引用:http://www.russel.co.jp/hp/adult/clover_hearts/clover_main.html)
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2.感想
一応攻略順は玲亜→莉織でやりました。途中サブのルートがありましたが、攻略順に沿って攻略したので、
途中途中攻略していく形になっています。各Chapter、個別毎に触れていきます。
白兎C1の序盤の玲亜ちゃんは、もう伝統と言っても差し支えない可愛さがありました。
主人公に馬乗りになって起こすなど、やはりゲームの時代柄か古典的なラブコメ行動が似合う女の子でしたね。
もちろん良い意味でです、真新しさや突飛な行動ではない安定した可愛さがありました。
無邪気さがドハマリしていたと思います。
いや、まぁ告白のシーンはぶっちゃけ微妙でしたね。ああいう学園を舞台にしている以上シリアスな
取り返しの付かないことをしたまま、マイナスの方から振り幅大きくして告白みたいな展開がちょっと好きじゃないので、
尚の事微妙に感じました。う~ん、もう少し正統派に攻めても良かったのでは......主人公、玲亜共に精神的に幼すぎたのかな......
どのChapterにも言えることですが、ぶっちゃけただの独りよがりですよね、白兎くん。
それを長々とやられると如何せんシナリオを読み進める気も起きないし、長く感じるはで二重苦ですよ。
まぁその前の普通に楽しく感じていた日常があっただけに、その変化が個人的には合わなかったかなぁ、と。
正直周りが全てを見透かしている良いやつらばかりだし、主人公だけが好きになれなかったのも一つですかね......
白兎C2では、幼馴染のちまりちゃんが登場しましたね。まぁドタバタした感じを出したかったんでしょうけど、
これC1の続きからやる必要ありましたか......ifルートで別々に作って欲しかったんですけど......
個人的には三角関係や修羅場が苦手なので、別々に楽しみたかったかなぁ......
主人公も主人公で彼女がいるのに何かしらのアクションを自分から起こさないのも正直不快だったし、
何より行動に納得出来なかったのも楽しめなかったかな......
いや、もうちまりちゃんとのデートの時も「裏切れない」とか言ってますけど、裏切りも同然だからな、と
苛立ちが募り改めて楽しめなかったな、なんて思います。
寧ろこれでいくら最後が良いからと言っても楽しめた方が問題じゃないですか。
はぁ......もともと「そういう」ものを期待していなかった僕も悪いですけど、何だかやるせないですね。
後は全てに共通して言えることだけど、圧倒的に主人公が悪い状況で自分が被害者みたいな心情描写が
なのもあまり気に入らなかったな、読んでいてさらに萎えました。
ちまりENDも、まぁそんなことがあれば、そうなるよな、と残当なルートだったと思います。
いやぁ清々しいまでに凄いですね、色々な意味で。まぁヒロイン一人を見た、ある意味素晴らしいルートなのかもしれませんね。
それでも最後はHAPPYEND(?)になっているのも、何がしたかったのかよく分からないですけど、
ラストでこうなるなら、あの泥沼状態の中で分岐したのも良かったんじゃないでしょうか、楽しめませんでしたけど。
ED後のDIARYで何となく帰ってくる描写もあったので、ちまりちゃんが好きな人は納得出来たENDなのかな、良かったですね。
C3では、打って変わって普通のいちゃらぶがありました。うん、今までのChapterからの続きだから、
何か釈然としない物がありました......多分C4では、何かしらのシリアスがあるんだろうな、という終わり方でした、
まぁまぁ良かったのではないでしょうか。妊娠ENDは、なくてもあってもという感じでした。
C4になると、ようやく本題部分に入ったという感じでしたね。正直本題への持って行き方が、かなりキャラ自体が
喋らされている感じがして、作為的なものを感じました。まぁその為に書いてるから、仕方ないのかもしれないけど、
それなら違和感を感じない程度に書いて欲しかったかなぁ......
そして肝心のシリアスですが、まぁ中々良かったですが前半部分がどうしても受け入れ難かったため、
ゲームとしての評価は微妙かな......総括的に言えば期待を大幅に下回ったかな。
莉織ちゃんは大人しめで、おしとやかな可愛さもあり、本質的には玲亜ちゃんと同じ優しさを持った可愛い子でした。
どちらにも良さがあり、双子という属性を活かしきった二人なのかな、と改めて思ったりも。
でも、いつきの外見が双子だから仕方ないとはいえ、キャラ的にもあまり合ってないように見えて外見が
チラチラ見えたりするのがキツかったかな......
さて、夷月の視点へ。
C1では、夷月が段々と莉織という人間に興味を無愛想ながらにも持っていく様子が良かったです。
その視点で書かれていても、莉織ちゃんの可愛さが場面場面によって色々な物に変化しているのも、中々良かったですね。
莉織ちゃん天使か......契約の件に関しては、まぁ合ってもなくてもと言った所かな。
白兎と違って、まだ納得してしまう部分があったから、そこまで苛立ったということはありませんでした。
三角関係というよりは、相手にとっての関係性ということをちゃんと考えていたからかな、よく自分でも分かっていません。
C2になると、前章であった興味が心惹かれる物に変わり、罪悪感などを感じ始めたり、次第に莉織との交流が多くなり、
中々良かったと思います。互いに意識するながらの恥じらいみたいなものも相まって更に可愛かったです。
まぁただ賢治が気持ち悪かったかな、あいつがいないと先輩ルートはお話自体成立しかねないけど、邪魔な存在だった。
いや、ホント懲りないなぁ......と思いながら進めていました。不快になる要素と成りかねない、もう少し何とかなったのではないかな、と。
C3は、まぁ玲亜と同じくらいいちゃらぶ成分多め、恋人に成り立てだから、これくらいのえっちといちゃらぶが良いボリュームでした。
玲亜ルートを最初にやってしまったので「次がラストだな」と思ってもイマイチ普段通りに気力が沸かなかったのが、若干残念ではあるところ。
夷月のC4だと、白兎のC4と違って、まだ兄弟の絆を修復するのに歩み寄っている雰囲気や描写があり、
割りと良かったのかな。白兎ルートだと、心理描写はあるけど、全然行動がなかったりで、あまり面白くなかった点もありましたが。
まぁ後は冒頭と繋げたいのだろうけど、いきなり戦闘みたいのが始まるのはどうなんだ......それでいいのか......
いくらなんでもご都合主義過ぎやしないか......
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3.小話
凄いですね、ここまで真顔で彼女がいるのにも関わらず「気持ちの整理の為に」と言って
他の女の子にキスをする主人公、中々真似できたものじゃないです。
それで納得する周りの人も人間が出来ていると言いますか、何と言いますか、僕には受け入れられそうにないです。
まぁゲームでも「その人の答えが大事」と言っている通り、僕自身が思ったことなんてのは、
このゲームを進める上で何の関係もないのでしょうがね。
システム的なことを言うなら、別にアイテム要素で色々な物を解放するのはいらなかったかな。
まぁ結構前のゲームですし、流行ったのかな、と思えば納得しますが。
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4.締め
「双子」という要素を活かした良いゲームだと思います。
個人的なことを言うなら、苦手な要素が点在していたりなど、楽しめなかった部分が多々ありましたが、
最後は中々良かったと思います。しっかりヒロインも可愛いのが最高でした。
ただ、自分はいくつかのファクターが楽しめなかったため、あまり評価はできません、以上です。
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評価:C
プレイ時間:約18時間
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