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normal_numberさんのソーサリージョーカーズの長文感想

ユーザー
normal_number
ゲーム
ソーサリージョーカーズ
ブランド
3rdEye
得点
83
参照数
947

一言コメント

ノアちゃんは、げに可愛い。げに顔だぶるぴーしゅ。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

3rdeye制作のPCゲーム「ソーサリージョーカーズ」の紹介・感想です。

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1.概要

――ある日突然"魔法"が生まれた。
魔法と呼ばれる現象は、限られた人間だけが知るものではなく、
現政府からアナウンスされ一般常識として認知されている。
そして今では魔法を資源としてエネルギー利用される時代ともなり、様々な分野へ浸透している。

この物語は、そんな魔法の存在する世界で生きる人間たちの宿命の物語である。
境遇の異なる6人の運命の糸が、いま紡がれていく。

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2.感想

読んでいて、色々な展開を予測出来るのだが「何が来てもおかしくない」と思わせるだけのシナリオなので、
マルチサイトも良く作用し、早く続きを読みたくなるゲームでした。しかし、キャラの雰囲気や性格などは違えども、
前作の「幻創のイデア」をプレイしていたこともあり、世界観や雰囲気に入りやすかったのですが、
若干焼き回しに感じたのは良くも悪くもと言ったところ。同じライターだし仕方ないと言えば仕方ないし、
その"部分"を期待していた身としては、かなりの満足がありましたよ。

やはり3rdeyeの作品のテキストは日常の中に非日常を含ませている物の、非日常を展開させる時に、
その一色に染める。そんな切り替えの上手さがあり、楽しんで読むことができますね。
構成も2ndOPからの展開は、やはりと言ったところか、かなりワクワクさせられるものがありましたし、
段々と物語の全貌が見えていく様はそれまでの過程全てを総括したような結末に納得を感じさせます。

後は戦闘シーン、一例を出すならlightのような濃さはないけれども、しっかりとその作品に合った
度合いというものが出ている気がします。演出面なども流石と言うべきか、
かなり凝っていて違和感なく進めることが出来ました。

それと、声優の演技なども光っていました。例えばセンリとフィオナが戦っているシーンでの
フィオナの葛藤や、ルゥの狂気など、演出もあってか、かなり真に迫るものがありました。



一応攻略順としては共通(マルチサイト)→センリ(フィオナルート)→陽斗(凛久ルート)
→センリ(ノアルート)→陽斗(あさひルート)→最終章
的な感じだと思います。それでは各章毎に触れていきましょう。

共通は一言で表すなら「まやかしの日常」ですかね。もちろん「まやかし」と言っても物語を表す上で
良い意味で、ですよ。物語の本筋である各個別や最終章への良い布石となっていたと思います。
一年後の良い引きであり、それまでの展開も台無しにしていない、良く出来ていたと感じました。

フィオナルートでは、センリとフィオナの最初は敵、相容れないけど本質は同じものと互いを認め合う関係。
それがラストではどちらも取り入れた本当の意味での分かり合える関係になっているのがとても良かったです。
それは贖罪であれ、なんであれ二人にとっての違和感なくピタリと合っていたものであったのは確かです。

後はセンリがとにかくカッコイイ、作中で全てが計算尽くであるかのように、書かれていて、
それがもし事実だとしても人間味溢れるような行動をしたり、時にはそれを実行する上でしっかりと
裏付けされていることを行う格好良さがありました、センリさんマジパネェっす。

凛久ルートは、主人公の愚直とも言える真っ直ぐさと、それが曇るような迷いとの葛藤が良かったです。
それに凛久ちゃんもしっかりと絡み、ラストまでの展開は純粋に凄いな、と感じました。
最後の最後も、まさか、と思うような展開を盛り込んでくるのも、最早お家芸と言っても差し支えない
くらい馴染んでいました、だからこそ期待もありましたが、十分期待以上のものがあったような気がします。
手コキisえっち。

ノアルートは、このシナリオの鍵とも言えるノアの存在をとても上手く引き出したルートでした。
しっかりとラストまでノアとの関係性をシナリオの中で育てて、それをラストで一気に
感動的なものにした、そう感じました。ノアちゃんのラストは最高でしたね、個人的に普段のキャラとは
また別の一面が見えるラストに弱いというのもありました。後私服が良かったよね、肩が見えてるセーター最高。

あさひルートでは、あさひちゃんの純粋な可愛さを改めて感じました。あそこまで真っ直ぐな子も
最近のゲームの中では少ないのではないでしょうか。真っ直ぐ故に他を巻き込み、それが良く
シナリオにもキャラとの関係にも合っていました。意外にも年並の羞恥心はあるなど、そこも
ヒロインとしてのポイントが高かったですね。地味に逆NTRみたいで序盤は僕も悲しかったけど、
キスで全てを思い出すところや、最後のヒロイン然とした展開などは良かったと思います。

最終章はセンリ、陽斗それぞれの視点から最終局面に向かっていく様が良かったです。
やはり、ノアのヒロインとして人間としての成長が個人的に一番良かったです。
ED後でも、かなり最終回の後のHAPPYENDのような一面を感じ、とても良かったです。
唯一不満点があるとしたら、ラスボスが若干凝りのあるような尻すぼみ感がありましたね......
まぁ、両方の視点を上手く使ってラスボスを打倒していたので、そこはまぁ妥協点ということで。

エピローグは、どれもそのキャラにあった"らしさ"がありましたね。それはもちろんエピローグでの
キャラの性格だったり、えっちだったりと色々と満足感がありました。本編とのボリュームとの対比は、
これくらがちょうど良かったと思います。ノアちゃんのサービスに僕のおちんちんも泣いて喜んでました、あなかしこ。
ノアちゃん的に言うなら、僕も毎晩春が来てるんですかね、もう一日に春夏秋冬を何回迎えてるか分からないですけど。

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3.小話

これは個人的に前々から思っていたことなのですが、ようやく今作でハッキリと明確に気づくことが出来ました。
ここの塗りは、かなり夜や暗がりでのおっぱいの影の付け方によるエロスが上手いと思います(勃起)
ヴィヴィちゃんのえっち、ノエルちゃんのえっち、フィオナのえっちと全てシコが止まりませんでしたもの、
もう最高ですもの、激シコですもの。

後は3rdeyeは妹キャラに何の恨みがあるのかってくらいに、妹キャラを悲劇のトリガーに使いますよね......
いや、大体それらしい伏線を見せてるから、心構えのような耐性は出来ているんですけど、
でも実際にそれが事実だったときは割りと堪えますね......

それと、過去作の世界観も違和感無く、この「ソーサリージョーカーズ」の世界観に盛り込むなど、
過去作からプレイしている身としては、かなりワクワクするものがありますよね。
例えば異能(デュナミス)とか、ですかね。クロスオーバーしてるような感じもあり、
考察が好きな方はそこも捗るのじゃないでしょうか。僕は過去作の要素が良い具合に絡まっているのが好きなので、
良かったと思います。

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4.締め

3rdeyeはこの中ニ的世界観の中でヒロインとの関係性をしっかりとゲームの中に落とし込むのが上手いですよね。
しっかりとそれまでの過程から裏打ちされたエンドに仕上がってるのも高評価です。
例えばバトル一辺倒やシナリオをただ消化させてエンドに持っていくだけなら、普通のゲームでも出来ますが、
それだけじゃないヒロインとの関係性というのは実力がないと無理だと思います。

もともと好きだったメーカーですが、さらに実力を上げて新作を引っさげて帰ってきました。
改めてこの系列の作品が好みにドンピシャだったので、これからにも期待していきたいです。
キャラに関しては全員好きです、それぞれにそれぞれの魅力を持たせることが出来るのも良かったかな。

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評価:S
プレイ時間:約20時間

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