一人の萌え豚オタクの悲しみの嘆きと悔恨の慟哭
夜のひつじ制作のPCゲーム「恋妻くずし」の紹介・感想です。
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1.概要
ついこの間までは夫以外の男の人の感触なんて知らなかったのに。
愛されて育ってきて愛されて夫婦になって。
きっと私はしあわせな子どものままだった。
――それがいけなかったんです。
膝にあたる冷たい床の感触と、
手に持ったままの熱い弾力。
耐え切れずに私が顔を背けようとすると、
彼はニヤニヤと笑いながら私の頭を押さえつけた。
数日で慣れてしまった、手の中のそれがぐっと大きく膨らんだ気配に備え、
私は命令通りに舌をつきだしていた――。
（恋妻くずし：STORYから引用：http://yorunohitsuji.xii.jp/products/koitsuma）
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2.感想
最初に一言注意書きをば、これは一人の萌え豚オタク（NTRをやったことがない）による後悔と煩悶を綴った書物だ。
正直タイトルから嫌な予感、というか確実にNTR要素のあるようなゲームと断言出来るものがありました。
もうこれは買う前の情報で確定していましたし、萌え豚でぴゅあ♡ぴゅあな自分でも何故買った、
と小一時間問いただしたくなるような要素を持っていますが、これも偏に「夜のひつじ」さんへの愛故にですよね、愛故に。
「夜のひつじ」作品をコンプしたいという理由だけで、この固く閉ざされた鉄城門のような苦手属性を受け入れるのは、
やはり自分にとってはとても酷でした。最早、生理的に受け付けないレベルに昇華したと言っても過言ではないよね。
だがしかし、「NTRが嫌いな人はNTRで興奮する才能がある」とも一説には言われている、何ともアイロニーな感覚に陥りました。
これはNTRは「単純なエロさ」よりも「嫌だけどシコれる」というシチュエーションないし、雰囲気的なものが強いからだろう。
話が若干逸れてしまったが、僕個人の話をすれば「エロい、確かにエロいのだけれども、気持ち的にシコれなかった」だ。
オタクの下半身事情なんぞ、感想で聞かされたくない、そう思う人が大多数であり、寧ろそれが衆目の見るところだろう。
だけども、やはり気持ち的にはシコを勝った、これが皮肉なことに本来僕が豚であることの証明にも繋がり、
そして今後、こういったモノには触れないだろう、そう自分の指針を決める一つの重要な事柄になった、と感じました。
もうNTRと分かってやっている分、「NTRがあるゲーム」として楽しめばいいのだろうが、
プレイ最中は修行僧も真っ青になるくらいの心持ちでしたよね、肉体的にどんな艱難辛苦が来ようとも耐えることができそうでした。
それくらいに精神ダメージが大きかったですよ......少年に録音で脅されてからの逆らえない状況など、
NTRの代名詞のようなシーンが数々あり、それが更に先を想像させ、胃を痛くさせる物がありました。
女が堕ちていく過程もしっかりと描写されていて、改めて文章力の高さを思い知りました。
夜のひつじさんの丁寧なテキストを今ほど憎いと思ったこともそうそうないです。
エンドに関して言うなら、個人的にはどちらも救いようがないなぁ......と言った感じですね。
快楽堕ちENDでは、まさにそのタイトル通り「救い」もないですが、一応夫と寄りを戻すENDもありますが、
NTRがあった事実は変わらないので、先を想察するやるせなさという意味ではプレイヤー側にとっては、
また「救い」がなかったようにも感じます。後は女性視点と堕ちていく描写が憎いことに綺麗に描写されているんですよね......
多分好きな人は好きなんだろうな、と何処か他人行儀な目線で評価してしまいそうになりました、危ない。
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3.小話
最近少しの三角関係要素ですらアレルギー的に毛嫌いするようになった自分としては、
それはそれはNTRなんて要素イケる筈もなく、只々無気力なクリックとエロさを感じてしまった自分を恥じながら、
シコれない気分的なやるせなさを抱えたままゲームエンドまで、やっとのことで漕ぎ着けました。
ボリューム的にも軽く、おそらく今後縁のないNTR要素のあるゲームをやることがない身としては、
最初で最後の体験が夜のひつじ作品だったことは何とも僥倖と言えなくもないです。
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4.締め
客観的な評価をするのならば、丁寧な堕ちていく描写、女性視点の感情の機微、そして綺麗に締めているボリューム。
同人という点を考慮するのならば、NTR好きにとって聖典のような存在になる可能性を秘めた作品の一つだと思います。
最後に一つ思いの丈を叫ばせてください。
やっぱりNTRは無理だったよ、ちゃんちゃん
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評価：C+
プレイ時間：約2時間
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