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noriowさんのLamento -BEYOND THE VOID-の長文感想

ユーザー
noriow
ゲーム
Lamento -BEYOND THE VOID-
ブランド
Nitro+CHiRAL(NITRO CHiRAL)
得点
70
参照数
1611

一言コメント

ウホッ!いいネコミミ

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

貴重な女性キャラ・カガリに萌えるゲーム。

まず、前作にも言えたことだが序盤の共通ルートが長い。本作は世界観が少々特殊なので序盤を使った説明が入るのは仕方ないのだが、丁寧すぎて逆にしつこく感じる。
個別ルートに入っても、状況・それによって生み出される結果ともに全く同じなため何が起こるかが容易に想像でき中だるみが激しい。ラストのバトルまで同じ流れになった時は絶望した。また、多々ある日常描写だが、無理矢理感溢れるギャグの挿入がテンポを悪くしている。もう少し緩急をつけなければ眠くなる。自分は寝た。
ニトロ特有の戦闘シーンだが、期待するだけ無駄、と言っておく。ぬるい・たるい・ねむい。随所に挿入されているが、切れ味がないせいか眠くなる。自分は寝た。
そしてファンタジー系作品の醍醐味・ラスボスについては、その動機づけが弱すぎるために一体何がしたかったのか疑問しか残らなかった。ホモ世界にしたかったんか?としか…。別に悪役に正当な理由やペシミズムなど求めていないが、これは適当すぎだろ。孤独で悲しいから世界を滅ぼしてみる的なこと言われても笑うしかない

以下ルートごと
アサト…こいつのルートのみに登場する姉さんキャラ・カガリが見所。とにかくカガリを見ろ!凝視しろ!感じろ!平伏せ!そして崇めろ。ラメントで唯一の燃え・カガリの戦闘シーンは必見。とにかくカガリいいよカガリ。犠牲を伴うラストはよくできていたと思う。BADは驚愕した。たべちゃうぞたべちゃうぞの世界  剣の構え方がおかしい
ライ…王道っぽいシナリオ。このルートのみ戦闘の設定が生かされている。また、野郎同士なのだが、お互い心が通じ合う過程が細かく描写されていてわかりやすかった気がする。BADは…なんというか底意地悪い奴だと思った。一番良くできているBADだが、恋人?との約束すら利用して殺し合いに持っていくあたりどうなの。殺戮に喜びを感じるための自己満足だからタチ悪い  剣の構え方がおかしい
バルド…まるで だめな おっさん、略してマダオを慰めるルートとでも言っておく。また一番のご都合主義ルートといえなくもない。BADはぶっちゃけいらないだろう。最後の最後まで正規ルートとかぶるうえに、突然のとんでも展開に涙でてきた。無理矢理にねじ込んでるせいかシナリオの不整合さも目立つ。
悪魔…エロBAD要員。なんのためにいたのかよくわからん。
カガリ…萌えろ。ルートないけど。
マナ…もうひとりの攻略不可ヒロイン。カガリには劣るがなかなか。強気っこ好き向け




世界観・設定は壮大だがそれを生かしきれてないので、冒険ファンタジーやSF方面を期待している人には不満しか残らないだろう。この物語の結末に、巧妙な仕掛けや驚くような大どんでん返しはない。なんちゃってファンタジーとして気軽にプレイすることを勧める。設定などを論理的に読み解こうとするとキリがなくなる。どちらかというとファンタジーを楽しむというより、このゲームはいわゆるはんこ展開なのだが、そのはんこ展開をキャラクターの個性によってどのように会話に違いが出るかといったキャラの奥行きを楽しむゲームなのでは。
ちなみに、この作品は男のネコミミものなのだが、ネコミミという萌え属性より、爪とぎ・毛づくろい等の「野生の猫」としての描写が目立っているのでいかつい野郎共のネコミミでも多少受け入れやすくなっているのではないだろうか。間違ってもにゃうーんとか言わないし。
このゲームの最も評価できる点は音楽。これは文句のつけようが無かった。

最後にこれだけ言っとく。カガリはいいものだ!それと剣の構え方(以下略