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nori3210さんのカミカゼ☆エクスプローラー!の長文感想

ユーザー
nori3210
ゲーム
カミカゼ☆エクスプローラー!
ブランド
Clochette
得点
89
参照数
617

一言コメント

まなみが可愛いすぎるよ!

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

スズノネセブンが好きな人はこの作品も、好きになれると思う。
逆に、超能力系だの厨二だの純愛萌え~が嫌いな人には合わないと思う。

この作品は、キャラの立ち絵の表情の差分が凄まじい。
各キャラクターがセリフの途中で、表情をころころと変える演出はすごかった。
Hシーンでの下着が毎回違っていたので、リアリティがあって良かった。
メティスネームは厨二になりがちだが、その人個人の性格が反映されてたり、メティスネームの有無で能力が発揮具合が違うという設定も良かった。

攻略順だが、自分は琴羽→まなみ→風花→沙織→美汐という順でプレイした。
琴羽以外は黒幕が判明するので、風花以降のプレイは正直展開が予想出来てしまい盛り下がってしまった。なので全体像を把握するために、初めに美汐を攻略して、琴羽・まなみとイチャイチャし、風花・沙織を最後にっていう感じがいいかと。
美汐→(琴羽 or まなみ)→(風花 or 沙織)

また沙織を除いた各ヒロインは、誰が慶司と結びついてもショックは受けるものの、応援するのは個人的には好印象。基本的に友達付き合いを大事にしているので、三角関係みたいにはならない。それが物足りなく感じる人もいるだろうが。

主人公の慶司はかなり良い主人公だったと思う。ていうか、かなりの高スペックだね。
頭の回転が速く、多くの知識を持っているだけでなく、知識を実行に移す事ができる決断力や行動力を持ってる。性格もさることながら、ジョーカーというメティスの使い方を考える機転の良さ、応用力。
コピー能力を隠して、本来の所有者以上にメティスを使いこなしているのはかっこいい。
慶司のメティスに対する強い好奇心と知識欲が生んだ慶司らしいメティス

琴羽√
鎖縁の(腐り縁)幼馴染にして、ヒロイン最大の巨乳である琴羽。
その武器を最大限に発揮した3回目のHシーンでの騎乗位は鼻血モノ。
転入直後に琴羽が慶司から逃げても、慶司がすぐに追いつくシーンは2人の絆の強さを示していると思う。「くっ、幼なじみ、マジやりにくい」というやり取りは結構好き。

子供のから好きなのに、慶司を諦めるために水泳やったり、澄之江に編入したりと距離をとってるの感じがもどかしい。付き合うきっかけとなった写真のCGは是非とも欲しかったところ。というか、何故無い!
あと、美汐√でのオシャレマスター沖原の「美汐よ…」の件は面白かった。

付き合った次の日の「うん。だからはじめは」
「胸から」と「デートから」には受けたね。
後、シリアス展開でさえヤキモチ焼くシーンの琴羽は可愛かった。
アイギスを使うために風花と手を繋ぐときに「嫉妬」や「嫉妬の炎」と
わざわざ口に出して言っている琴羽はヤバかった。

シナリオは唯一黒幕が出てこないので、もう一捻り欲しかった。
どうでもいいかもしれないが、立ち絵とCGで水着の柄が若干違うのが気になった。
マーメイドは「誰よりも早く、自由に泳ぎたい」という琴羽の思いから生まれたメティス
ハルキュオネは2人を取り巻く全てのことを「諦めたくない」という強い気持ちから生まれたメティス


まなみ√
お兄ちゃんが大好きなブラコン妹にして、いつも明るく元気なロリ巨乳であるまなみ。
慶司譲りの優れた洞察力・分析能力を持ち、負けん気は強いが、根は優しい頑張り屋さん。バレバレの恋心を押し隠しながら意地を張り続けているが、慶司に頭を撫でられてうにゃーとなるまなみは、ちょー可愛い。実妹が無理な人には、合わないヒロインだと思うが、個人的には一番好きなので、プレイ中画面を見て終始ニヤニヤしてた。
まなみがキュンキュンしている時は、ほぼ自分もキュンキュン or ニヤニヤしてしまう。

慶司が絡んだ時のまなみはマジでハンパ無い。
例えば、慶司好みの巨乳になるために豊乳トレーニングで今のロリ巨乳になったり、澄之江に編入することになった慶司を想うあまり、朝比奈先生の本を使ってわずか3週間で本当にメティスを目覚めさせて、澄之江に編入してしまうほど。「ただひたすらに想いをこめて、ただひたすらに願いをこめて」という地の文に相応しすぎる。

キュンキュン来るシーンは沢山ありすぎて選べないが、印象に残っているシーンとしては、景浦に慶司の妹じゃなかったらと聞かれるシーン。
「まなみはお兄ちゃんの妹として生まれたからまなみなの……。お兄ちゃんの妹じゃないわたしなんてどこにも存在しないし……そんなの、想像もできない」と言う答えには、例え慶司と結ばれなくても、慶司の妹というポジションだけは失いたくないという気持ちが込められていると思う。

ペネトレイターは「諦めようにも諦めきれないただ一つの想いを、あらゆる障害を突破してでも叶えたい」という心から生まれた、まなみの意志そのものとも言えるメティス


風花√
天然でドジっ子、いつもぽわぽわしている委員長にして、まじめで明るく、何事にも一生懸命ないい娘すぎる努力家。両親が亡くなってからツライ生活をしてきたはずなのに、それを感じさせない健気な良い娘。

告白の時、好きと言っても気づかずにスルーしている風花に負けじと猛烈にアプローチする慶司はかっこよかった。っていうか、天然強し。
エロい?単語はあまり知らないという天然っぷりには萌えるね。迫るやオナニーという単語もすぐには分からず、ましてや不能状態、百合くさい、かわいがってやるの意味については何だろう?誰かに聞いてみようのレベル。
それでも付き合ってからは慶司のエロさに合わせようとして、エロ本を見て勉強しているわけですが、その途中で鼻血出すとか可愛いじゃないか。

印象に残っているシーンとしては、慶司がジョーカーの能力を教えたときにやきもちを妬きつつも、慶司の可能性を狭めないように支えたい云々というシーン。地の文でもあるが、恋人というよりも女房レベル。

シナリオはさらわれたお姫様を救出するという王道中の王道であった。個人的にはこういう熱い展開自体は好きなので良かった。でも、アイギス・セカンド「パラス・アテナ」は今までの10000倍の力とかチートすぎるし、なんじゃそりゃ!って感じ。
アイギスは内包と排他、背反する2つの力により、外界からの干渉を遮断し、内側では争えない「みんなを守り、傷つけさせない」メティス。


沙織√
アルゴノート側ではなく、唯一違った視点で語られるシナリオ。唯一慶司に好感を持ってない状態からのスタートで、それゆえに親密になる関係の描写が多くて良かった。シナリオも良く出来ていたし、ほぼ全ての謎が解けるルート。

根は優しく思い遣りのある性格で、部下や後輩の面倒見も良く慕われている風紀委員。
分析能力もそれなりに高く、早いうちから慶司のメティスがアイギスではないと気付いている。パニックになると「うにゃにゃ、にゃぁぁー」などの猫語になる癖は可愛いと思う。沙織の最初のつーんした感じと、EDの「はにゃあぁー」という蕩けきった表情のギャップはたまらない。

唯一のちっぱいでありながらアナルや露出などの変態性癖を持つ沙織。
校則に書いてないからと校内でおま○こを慶司に見せるオマ〇コくるくるには参ったね。
甘い雰囲気でこのまま行けば、キスだろ!という流れで、おま○こ見せてあげるとか普通は誰も考えないよ。あの慶司がパニックになるのも仕方がないと思う。

遊園地でアルゴノートの美汐、まなみ、景浦の3人に沙織と交際していることを暴かれると、暴いた側がショックを受けているのには笑った。しかも、交際しているのを証明してと言ったはいいが、ラブラブオーラに充てられてお腹いっぱいに。

印象に残っているシーン…というか慶司がパニクった異次元からの攻撃
一風変わった交際宣言
「す、好きじゃないと思うけど、おつきあい……してください!」
エマージェンシー、エマージェンシー!!

キスはダメだけど
「……お、おま○こなら」見せてもいいよ
ーーパニック!!!!!……それって校則違反じゃないの?
「校内でおま●こ出したらダメなんてどこにも書いてないから!」らしい。

甘い雰囲気の中で「せーので、今したいこと言ってみます?」から
定番の「キス」にいくものとばかり思ってたら「……おま○こ見せてあげる」
ーーパニック!!!俺の分析が無残にも…崩壊!?

メティスとしても、単独での第二段階であるペルセポネに至りそうになったり、慶司が簡単にはコントロール出来ずに苦労している所は良かった。って言っても、結局アンブラの7体制御を会得するんだけどね。
ポスポロスを偏光させたアイギスで防いだのはまだいいが、意識を共有し一つにすることでペルセポネをコントロール可能になったのは出来過ぎだと思う。にしてもペルセポネの副作用はきつすぎるね。沙織は独りであんな悪夢に耐えていたなんて、強いよ。
アンブラは「自分だけの友人が欲しい」と独りぼっちの心が生み出したメティス
ペルセポネは沙織の「相手を知りたい」という想いが貪欲な方向に進化したメティス


美汐√
表向きは傲慢不遜、気位の高いお嬢様という設定で祐天寺財閥の令嬢として、アルゴノートのリーダーとして相応しい凛とした態度をとっている。本当は引っ込み思案な部分もあるが、優しくて思いやりが強い性格。だからといって判断力・決断力・行動力・責任感などは偽物ではなくいずれも本物である。

個別に入ってから付き合うまでが、短く「美汐=みーこ」が判明したら恋を自覚するというのは突発的な感じがして、少し残念である。もう少し慶司にみーこが好きということが分かるような描写がほしかった。というか、幼少期の慶司に助けてもらった出来ごとは美化しすぎで、惚れるには弱すぎると感じる。しかも「本当にそうしたいと思うなら、怖くても踏み出すべきだ」という言葉のおかげで今の自分がある!というのもうーんという感じ。また、お嬢様ならではの本家(祐天寺財閥の総帥である祐天寺潮)とのやり取り「君があの時の慶司君か、孫娘の事は任せたぞ」的な会話があって欲しかった。

付き合ってからのイチャラブ度はニヤニヤが止まらなくてヤバい。慶司と付き合うことが出来て、「お弁当であ~んの後、慶司さんとお昼~しゃーわせ」と浮かれきって移動教室すら忘れているのには、思わず笑った。「デートに誘うことなど造作もないのよ」とお嬢様モードかと思いきや、智ちゃぁん~と気弱になるシーンとか。遊園地でのメティス暴走事件のとき、慶司が江梨香の手を握ったことに嫉妬するシーンとか、可愛すぎるだろ。あと、水没ビルの探索時に水中でのアイギスの使い方を風花に教えたら「ホントさすが慶司さん。……アイギスのことをよく分かっているわね」と嫉妬し、褒めてないだろ!褒めてるんです!と手を繋いだままの痴話喧嘩も最高だった。

一番ニヤニヤしたのは、ジョーカーの能力をみーこに教えて→嫉妬しまくる→みーこだけが好きからと言ってキスしようとしたら、沙織先輩が邪魔をしたのでみーこが舌戦をしかける流れでの「キスを邪魔された恨みは、正論よりも遥かに重い」には思わず頷いてしまった。舌戦の勝利で終わりかと思いきや、今度は沙織先輩にフォローを入れたことに嫉妬してしまうみーこを部室に誘い、強引に熱いキス蕩けさせたと思ったらそこには、まなみ、風花、近濠先輩、景浦の4人がいて、きゃーっ!!となって冷やかされるシーンがすごかった。

近濠先輩は自分で「悪魔の頭脳」と称するだけあって、その名に違わぬ頭脳を持つが、普段は悪巧みやお嬢様を弄ることで美汐の可愛い反応を観察するために使っている。
速瀬慶司VS近濠菜緒のシーンは熱かった。合気柔術や重力操作、未来予知、思考読み取りなどのブラフで慶司を翻弄、さらに慶司のメティスについての考察もすごい。しかも、その対決→突破されることも近濠先輩の計算の内で、
みーこ「さすが慶司さんですっ!わたし、慶司さんの言うとおり、今後は自分の判断や行動に、もっともっと責任と自覚を持っていきます!!」ちょっと待て……たしか近濠先輩は「それともなにか?おまえはそこに介入して、今後のお嬢様の人生に責任を持つとでも言うのか?」と警告ではなく、予告していた。

プロミネンスだけでも、十分強いのに第二段階のヘリオスはチートすぎる。火炎同化による物理攻撃の無効化、複所同時存在というより遍在、高エネルギーによる破壊と再生など。肉体の再構成をするときでさえ、「ふたりでひとつのこの状態って幸せ」と考えるみーこ可愛い。そういえば、水没ビルからの脱出で近濠先輩を生死不明の行方不明にするより、いっそのことひと思いに…という覚悟で助け出したのはすごい!っていうか、普通そんな覚悟出来ねぇし。

最後のアレにはやられた。「口に出すのも恥ずかしい新婚さんごっこ」をホントにやっちまった。見ててホントにすごかった。
プロミネンスは他者を惹き付ける程、美汐の内にある強く激しい情熱を表すかのようなメティス
ヘリオスは強力な破壊と再生という背反した能力を併せ持つ、美汐生まれ持つ激しさと優しさの二面性が強く具現化したようなメティス

好きなキャラ順
まなみ>美汐>沙織≧琴羽>風花