前作同様＋萌え要素増加の内容。基本コンセプトは良いのだが、全体的にテキスト＆スクリプトの品質が悪く、個別シナリオの展開に無理がある点が多数。致命的なバグがあり、コンプにはパッチが必要。細かな評価は長文で。
評価は５段階でＡ～Ｅ
■システム：Ｃ
設定項目数は若干少なめだが、不満を持つほどではない。
イベントスキップ、選択肢スキップのスキップ条件が怪しく妙な所で止まるが、これはスクリプト側の問題か。
用語説明は前作同様に良い試みだと思うが、わざわざXXXを開いて自分で字引を探すのは面倒なので、該当の言葉をクリックしたら説明に飛ぶようにするのと、自動的に未読位置にページを飛ばす＆未読を容易に連続で読めるようにして欲しい。
ムービーが最初から省略可能なのは嬉しいが、音量が調整できないのはマイナス。
セーブ＆ロード画面で、セーブ時にキャプチャされた絵柄がロード時に異なっていたり、セーブした内容が実際と異なる場合がある等、色々とバグがある。
■絵：Ｂ
製品としての質は十分、枚数も多い。
だが、普通の姿勢で無理にパンツを放り出すような絵柄は、センスが古過ぎる。
そんな時代はもう５(１０？)年以上前に終わっていると思うが。
■声：Ｂ
プロとして方言(標準語)で演じるなら、最低限正確な抑揚を勉強してから演じるべきである。
それが出来ないまま演じる人は、プロの自覚に欠けた失礼な人である。
和服の人の抑揚は、祇園言葉としても、京都弁としても、関西弁としてもありえない。
声を演じさせる(シナリオを書く)方も、方言の抑揚を正確に御し得るのは、一部の天才を除けば地元出身の人間のみである事を理解すべき。
それ以外は若干演技がアレな人が居るものの、概ね問題なし。
■歌、効果音、音楽：Ｂ
特に印象なし。
■シナリオ：Ｃ
物語の構成は前半の選択肢による好感度蓄積により、後半に個別ルートに分岐する作り。
基本は学園物だが設定が特殊で、特に自分の中に「学園生活」の常識を持つ人は違和感を感じると思われるので、そう言う人にはお勧めし難い。
個別ルートは基本萌え系統であり流れは悪くないが、枝葉にご都合や強引な展開が目立ち、物語としての美しさに欠ける傾向がある。
テキスト＆スクリプトの品質が全般的に悪く、段組の失敗で文字がメッセージ枠から右にはみ出していたり、激しい誤字があったりする。
その他も暗(明)転したままテキストが出ずに止まってしまいクリックしないと先に進まなかったり、インストール直後のシナリオでは個別ルート２つが途中で止まり進まなくなる等、色々なバグがあり、読み進める際の支障となる。
■トータル：Ｂ
致命的な箇所は既に対策済みだが、それでもバグが多く、製品としての基本的な質が不足している。
話の基本的な世界観や展開は悪くないが、特に個別シナリオで展開に首を捻るような点が多数あり、良い出来とは言えない。
全体的に品質のチェックが甘い事と、複数ライター起用による基本コンセプトの不統一が問題であり、次回作も同様の方法で作る場合、抜本的な対策が必要であろう。