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nogaanさんのChuSingura46+1 -忠臣蔵46+1-の長文感想

ユーザー
nogaan
ゲーム
ChuSingura46+1 -忠臣蔵46+1-
ブランド
インレ
得点
86
参照数
102

一言コメント

忠臣蔵を全く知らなかったが楽しめた。ある程度素人に対して説得力がある。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

 2度目のプレイ、久々だった為評価をつけます。

 忠臣蔵を全く知らなかった自分でも楽しめて、素人に対する説得力はあったと思う。1から4章までは物語を最後まで楽しめた。また、5章については、今は納得している。変にタイムスリップなどへの理由付けをこだわった結果、必要となった章だと感じた。
 正直エロゲとしては1から3章だけの方が完成度が高いのかもしれない。しかし、私は4章がお気に入りで、歴史に対する多角的な視点で話し合う部分は、作品の歴史への熱を感じられて、より個性を感じられて良かったと思う。

1章
 序盤は変なHなゲームだと感じたが、歴史が動くにつれ物語に引き込まれた。何が起こるかワクワクして最後まで読み進められた。内蔵助の底知れない部分や強い点に惹かれて衝撃のラスト、大変面白かった。

2章
 ループものであることが発覚し、より忠臣蔵の世界に引き込まれた。主人公が1勝と比べて強くなっていく点もお約束としてよかった。1章では物語の主軸を体験し、2章ではより詳細な部分を開示していく展開が良かった。世界で足掻き、よりよい世界を願って頑張っている点が伝わって良かった。また、安兵衛も普通に可愛かったのも良かった。

3章
 主税最高に可愛かった。正直この章までは、主税に魅力を感じていなかったが、いいヒロインだった。ちょろいが一途な点や、徐々に成長していく点も良かった。物語の一定の終着点として、主人公が現代に帰り、タイムスリップが確実にあったという証拠を提示してくれるのが良かった。石に刻まれた相合傘はこのゲームの最高値だと思う。

4章
 ここで、美談?になっている忠臣蔵物語への審議を問うパートで、基本的にはサブキャラや物語の脇の部分ではあった。物語の綺麗な部分だけで無く、いわゆる裏の話などが知れてよかった。お初ちゃん、ううう。また、ここから主人公のタイムスリップの理由などが深堀されていったが、特に気に入ってはいないが嫌いでもない。

5章
 妖怪対戦や物語の終着として、盛りに盛った部分の回収パートであった。ぶっちゃけ他章で感じていた衛門七が戦力になるのかという部分のアンサーが一応作られていたのは良かったのかもしれない。まぁ納得はしている。

 総評として86点。やや甘いのかもしれないが、物語が進むにつれ最後まで読みたくなった。こういったワクワクを感じられ、さらに文章にクセも無く読みやすかったので高得点になりました。1から3章が軒並み高評価で、4,5章は評価が低いのは納得がいっているが、4,5章もけなすものではないとは感じる。
 インレさんで一番好きなゲーム。新作を出すたびに、この忠臣蔵を超えられるのかという点が毎回気になる点である。