重厚な世界観・テキスト・構成、それに加えてBGM、音声による演出。それらが至高の作品を形成している。ゲームというジャンルがどういうエンターティメントを生み出せるかの可能性を追い求めた作品。 ただやっつけ仕事気味に一度にに大量投下されたHシーンや、五,六章の描写省略によるバランスの悪化が惜しまれる。
民族思想、人種思想、宗教観等を含めた重厚な世界観は他に類を見ないだろう。
そしてテキストは、癖が強くなじむのに時間はかかるかもしれないが、強く読み手を引き込む。
特に心境の描写等は絡め手であり巧み。
そしてその世界観にマッチするBGM、音声演出による相乗効果。
ゲームというジャンルにはこんな作品を生み出せる可能性があったのかと感嘆させられた。
ただ不満点もあった。
4章前半、いきなりノルマ消化といわんばかりに連続投入されたHシーンには興が殺がれた。
そしていきなりのパートボイス化。
スケジュールの都合によるものだとは思うが、もっと有効に声をつける部分を割り振れなかったものか。
五,六章の主要部分以外は主人公の語りによる進行で簡略化されてしまったのも非常に勿体無い。
シナリオに関しては、
モーガンの目的はわかっても共感は出来なかったとか、7章ラストからエピローグへの
持って生き方が強引に感じたとか、世界樹と一体化し旅をエマと旅を見守り帰って来たエマと
クゥが愛したエマ結局別物じゃないのそれでいいのかとか、少ししこりは残りましたが。
そこはそれ。個人差でしょうか。
個人的には序盤からの語りの視点の伏線とか、テルツォ、グラナダ&グリエル、ステラの話が特によかったと感じましたかねー