学園もの。EXTRAもUNLIMITEDもベースはラブコメ/SFと違えど、基本はその世界の日常を描いたものであり、聞き及んでいたような展開もなく拍子抜けした部分がある。ただどの世界にも「日常」というものは確かに存在し、彼ら彼女らは確かに生きていたんだと思わしめる描き方はこの作品の魅力に繋がったかなと思う。
作品への好感度 A(S・A〜E)
他人へのおすすめ度 B(S・A〜E)
各ルート・エンディングの感想、総評の順になっています。
プレイ順:EXTRA(たま→ノーマル1、2→彩峰→委員長→冥夜→純夏)→UNLIMITED(たま→彩峰→委員長→美琴→冥夜→夕呼)
評価:EXTRA(委員長>>たま>冥夜・純夏>彩峰)>UNLIMITED
EXTRA
たま√
残りのメンバーは2組でそれぞれ展開が一部共通だったのに対し、なぜか1人完全固有ルートを用意されていたたま。
内容としてはヒロインのあがり症の克服のためにみんなが団結したという話。ギャグシーンも多く、そう期待せずにプレイしたところ、ヒロインと主人公の思想のすれ違いをしっかり描いていて好印象でした。
彩峰√
一部委員長と共通。
途中までヒロインの心が元カレの方にあったように思え、途中でこちらに靡いても素直に喜べないシナリオでした。言い換えると、ヒロインが心変わりした瞬間が非常にわかりづらかったです。人の気持ちは確かにグラデーション状かもしれないけど、それにしたって表に出さないキャラは理解しにくいというか……
委員長√
一番地に足ついたシナリオだったかなと。彼らはいくら大人ぶったとしても、まだ大人ではないという話運びが良かったです。
ただ、結構偏差値高そうな高校なのにガチガチにイジメがあるってよっぽどなような…
冥夜・純夏√
この作品で一番がっかりだったのは、この2人のルートがほぼほぼ全て共通なこと。楽しみにしていたのに、肩透かしを食らった気分でした。ただ、その共通部分の出来は比較的良かったのでひとまとめにして評価することに。
UNLIMITED
EXTRA世界とは打って変わって宇宙から来た敵生体・BETAと戦術機を駆って戦う世界へ飛んだ主人公。
厳しい展開を挟みつつも、そこでも確かに存在する日常を切り取ったシナリオとしては高評価。
ただし、ヒロインによって本当の本当に分岐がわずかなのに水増しみたいにパターン数だけ多かったり、どれも打ち切りエンドみたいな終わり方なのは納得行きませんでした。夕呼先生のルートがトゥルーかと思えば、完全に打ち切りバッドエンドみたいな感じでしたし…
どこからオルタネイティヴに繋がるのか謎です。
その他
・演出
ものすごい服装・ポーズ・表情差分。ほんの少ししか出ない人間にも用意されている立ち絵。可愛いへたれ絵。沢山の背景とその差分。
とにかく、この作品は絵関連の物量が凄まじく、後年の作品に見劣りするどころか超えてくるレベルの演出力でした。
総評
ラブコメとハードSFのギャップを楽しむ作品…というよりはどこまでいっても学園日常もの。
それは悪いことではないとは思いますが、少しがっかりしたのもまた事実。
この作品には続編(高評価)があるため、これだけで作品の評価ができないので少し困りました。この作品だけだと評価が少し落ちるかなというのが実情です。
ただ、演出が小気味良く、キャラもよかったため、プレイを断念することはなくてよかったです。