Fate/stay nightのファンディスクとしてはこれ以上求めるものはないと言える出来。
作品への好感度 A(S・A〜E)
他人へのおすすめ度 C(S・A〜E)※FDのため。
前置き
100%クリア。
一本道ですので良いと思った点、悪いと思った点を記してあります。
■良いと思った点
・ストーリー(特に夜)
バゼット、アヴェンジャー(アンリマユ)、カレンという新規キャラ周りが主に活躍するパートはとても良かったと思います。特にバゼットはsnの桜とは別方向に共感しやすいタイプで、Fateシリーズで初めて主人公に感情移入したかもしれません。
全体的に見てもFate/stay nightを補完する物語として単純に出来が良く、本編で日常シーンを見ることがなかったキャラクターたちを見るのは楽しかったです。
また、序盤は昼パートの穴を埋めるのに躍起になるし(日常が楽しくて仕方ない)、
終盤は展開をまいてきて(嘘ではありましたがアンリマユの「飽きた」は我々プレイヤーの気持ちに近いかなと)、
最終盤はこの作品を終わらせたくない(この四日間がもっと続けばいいというアンリマユの本当の気持ち、死にたくないというバゼットの心の叫び)
とプレイヤーのテンションと夜パート担当キャラの気持ちがリンクしている作りであり、この形式の作品でないと実現できなかったストーリーであると感じました。
昼パートに関しては良いなと思うものからこれはダメだと思うものまで様々で、出来はまちまちでした。全体的には良かったので良い点として記述しておきます。
ヒロインたちと出番の少なかったキャラクターたち(学園の生徒・キャスターなど)がメインでしたが、ギルガメッシュやアサシンあたりが好きな人にはやや出番が少ないと思えるような感じだったかもしれません。真アサシンは知りませんが……
・演出
縦横無尽に動き回る立ち絵をはじめとして、イベントCGの使い方、テキストの出し方、効果音のタイミングなどとにかく全ての演出が凝りに凝っています。ノベルゲーでしてほしいと感じたことが大体詰まっていた気がします。
・狂気のフルボイス
頭おかしい………
特に衛宮士郎役の杉山紀彰さんなんかはずっと喋り通しな気がしたので、一体どれぐらいの文量声を当てたのか気になります。
□悪いと思った点
・ボリュームがありすぎる
本編、特別編、ミニゲーム、遠坂神社等々がフルボイスなおかげで「永遠に終わらない」。
普段やっている作品は終わらないで欲しいと思いつつも終わることが辛くもあり美点でもあったのですが、本作はあまりにも終わりが遠いです。
これはFateシリーズ全てでそう感じることですが、コンプリート(したセーブデータを作る)までにあんまりにも時間がかかるのはちょっと辛いです。
・昼夜のシナリオの緩急
昼パートでアホ全開な展開を繰り広げて一息つく間もなく夜パートでグロテスクな展開になったり、アンリとカレンの最後の教会での逢瀬が終わっていよいよ終わると思った後にまだ昼パートが続いてしまうことがあったりなど
自分の選択次第ではあるところも多いのですが、昼夜でシナリオのチグハグ感が増してしまうのは難点です。
総評
本編の出来も良ければファンディスクの出来も良し。これはファンが多いのも納得です(FGO周りだけって方も多く見かけるので何ともいえませんが)。
アニメ化もしづらいでしょうし、Fateの世界を楽しむためには是非ともやってもらいたい一作です。
蛇足
stay nightシリーズの話のメインはやはり士郎と言峰なのかなと改めて思いました。
カレンは確実に言峰綺礼の娘として設定されたと思ったのですが、直接の言及は避けられてたのが割と気になりました。年齢がえげつないことになるからかな…