販売サイトには書いていないが、BB以降の3作(合計プレイ時間70h↑程度)プレイ必須。冴えない七三メガネの主人公が学校で友達100人作ろうと奮闘したりしなかったりする作品だが、今までの作品とは違い主人公に同調できなかったのが辛かった。
序章
序盤から終盤にかけて、主人公(武龍)とヒロインの内2人のことが好きになれず、苦痛でした。苦痛といえば前の作品も物凄く苦痛なターンがあったので、それを思えば遥かにマシはあるのですが…とにかく長くてダレていました。
しかし黒子や辰巳、蓮耶といった魅力的に感じる造形のキャラももちろんいて、この3人がどうやって話に絡んでいくのかが楽しみでした。
後半は急展開に次ぐ急展開で、混乱したまま次に行ってしまったため、次のシナリオへの期待と不安が高まりました。
本編
変わり果ててしまった武龍(ブリュウ、子バルドル)の物語。序章終盤も含め、途中で話数を跨ぐ長い過去編も存在し、時系列がしっちゃかめっちゃかな感じがありました。しかしようやくライターの十八番であるファンタジーになったので読みやすさは格段に上がりました。
個人的にはガルーダとロキ、武龍、ヘル以外はある程度以上は好きになることができるシナリオ運びで、特にジャック周りとフェンリル周りの話が好きでした。この二人の話は武龍の話と比較してぎゅっと濃縮されて展開され、共感しやすい内容だったことがそう思わせた理由だと思います。
しかしやはりというか武龍とメインヒロインであるヘルについては、行動や結果には納得しても到底好きになることができないもので、エンディングまでこの2人に関してはあ、そう…程度で終わってしまいました。かなり残念です。
アナザールート
前3作をやっていて、なおかつきちんと記憶を保持していないと楽しめない領域に達してしまった本作。『B.B.ライダー』については笑った小ネタとメインストーリーのややこしくない部分以外記憶が消失していたため、十全に楽しめませんでした。佐藤蓮耶=シュガーレッドは単純に度肝を抜かれましたが、特別嬉しいサプライズだったかというと…
こういう展開の多用はお遊び程度の無視できるレベルか続編と銘打たれてるなら許容範囲なのですが、本作はガッツリ本編に組み込まれていたと感じたためなんとも微妙な評価です。ゴリッチュファンの9割は盛り上がる展開だと思うのですが、個人的にはやや冷めてしまったという気持ちがあるのは否めません。これでは本当に本作初出のキャラの存在が霞んでしまうため、なんだかなという感じでした。
それ以外については狼貴の扱いはとても良く、狼貴と武龍のダブル主人公の方が良かったのではと思わされました。かっこいい兄貴は背中と拳で語る。
また、ジャックとベレッタの邂逅シーン、ベレッタと辰巳のシーンも今までの積み重ねのおかげもあり涙腺が決壊。こうして思い返すと良かったところと微妙なところが半々かなあ、といった感じでした。
終わり方も珍しくほぼ完全無欠のハッピーエンドで、それも結構驚きでした。
その他
・ヒロインの造詣
ゴリッチュさんとはメインヒロインの造詣の趣味だけは合わないなと本作で実感するに至りました。
まあ、エロシチュの好みも絶望的に合いませんが…
総評
サークルゴリッチュさんの作品は相当に長く、他の理由もあったのですが、長文で自分の想いを書き記すことをしてきませんでした。今回簡素ながら初めて着手してみたものの…やはり言葉にするのが難しいと感じました。世のゴリッチュ批評家達は凄いなと感心至極です。
本作は前3作より色んな人が入り込みやすそうな設定というところは良かったものの、前3作にハマった人向けの要素が多く、評価に困りました。
内容についても、狼貴とジャックについてはきちんとやりきってくれたなと感じるだけに、武龍関連に不満がありすぎてなかなかどういう感情をこの作品に抱けばいいのかわからなくなってしまいました。いつか結論が出る日は来るのだろうか…