若くして死にかけている主人公の、退廃的な館での隠居生活モノ。…ではあるのだが。
作品への好感度 D(S・A〜E)
他人へのおすすめ度 E(S・A〜E)
前置き
周回ゲーなため、良いと思った点と悪いと思った点について記載、その後総評という流れで書いております。
プレイの際には有志の方制作の「鬼畜王 on Web」を使用させていただきました。かなり昔のゲームながらも、快適にプレイすることができました、感謝です。
■良いと思った点
・絵
繊細なグラフィックは流石の一言。製作陣のコメントの通り、空の色がどれも良かったですね。
・膨大な選択肢+エンディング
最後の方は飽きてきますが、最初の方は試行錯誤するのが楽しいです。
個人的には「さよと生活」、「けいこと療養」、「夕姫と老後」エンドが好きです。
・有馬紅葉がいる
同ブランドのAmbivalenZのキャラ。立ち絵はありませんが想像で補えました。
・主人公の背景
出自、現在の在り方、選択肢による主人公の考えや行動の変化など、主人公の見どころが多かったと思います。やらかしたことを考えれば、決して報われるべき人間でないことは確かですが…
・実妹と心中
唯一の実妹エンドが心中なのがキマってていいなと思います。
色々終わってるルートなので、好きなエンディングには挙げられませんが。
□悪いと思った点
・唐突なフィストファック
何気にエロゲでは初めて見ました。やっぱり絵面的にきついですね。
・仕事シーン
なんか無理に難しくて規模の大きいこと言わせてるせいで違和感が…
・内輪ネタ、パロディ、ギャグエンド
陰鬱なだけの作品だと思い込んでたら、予想外。
数多あるギャグエンドは息抜きになっていいんですけど、前述の有馬紅葉含めてそういう空気感に頼りすぎているというか…そういう展開が中盤以降増えていくと雰囲気があっけなく崩壊します。
・エンディング数とキャラの出番の偏り
男キャラの静と一番面と向かってる時間が長かったような。
個人的には阿片が謎&重要人物のていを装っているのに、登場シーンがあまりにも少ないのが残念です。
総評
ストーリー的には一本道であったAmbivalenZの方が良かったと思います。
主人公が死ぬまでの日々を退廃的な館の中で過ごす作品ですが、主人公は割と仕事ばりばりしますし、ハッピーエンド多いですし、死生観を語るような感じの話はほとんどないですし…なんならかなりの年月生き延びたりしちゃうし、ギャグに走っちゃうし。
もうちょっと雰囲気の統一感が欲しかったところです。