歴代の中では上位に入る作品。
前作と比べメモオフらしさが復活していると思う今作品。個人的には2とそれからを足した様な感想を抱きました。
絵柄がガラッと変わりどうなるかと思ったがそこはすぐ慣れる。歌はもうちょっとどうにかならなかったのかと思いますけどね。
では各ルートの感想を書きたいと思います。
霞√
いきなり家に居候し始めたミステリアスなクールな女の子。後半になるとかなりデレる。個人的には前半のクーデレ状態が好きなので、もうちょっと続けばいいのになぁと。
主人公の過去に密接しているヒロインでその想いはかなり強く、好きな人の為なら自分が嫌われ役に徹する事が出来る稀なヒロイン。他ルートに行った時も的確な助言をしてくれる有難い存在ですね。
この√では主人公が過去を思い出し、霞との想い出を思い出し、気持ちが通じ合います。色々伏線とかありますが、簡単に言ってしまうと「彼女を籠から救い出す」事が最終目的になるというある意味王道的な展開。
最後にはちなつと三人の絆が深まりハッピーらしい終わりで良いと思いました。
声優は小林ゆうさんでとても演技が上手。特に「・・・・・」や感情を伴うシーンではとても光ります。ただ叫ぶシーンでは少しはスキー過ぎたと個人的には思うので、次回作があるなら少し控えて頂きたいかなと…(笑)
ちなつ√
メモオフシリーズ定番である、苛々させられる系ヒロイン。2でいうほたる枠。なのでウジウジしてるからとかそういうマイナス要因ではなく、最初から好感度マックスの押しかけ系ヒロインなので嫌気がさす感じかなー。
普段から自分を嫁と自称する彼女。このルートをみると、一番主人公の過去と今に関わっている人物でただの主人公を好きというヒロインでは無い。そして一番主人公を苦しませようとしてきたという、一言では言い表せない
ヒロインですね。
この√で多分9割ぐらい伏線を回収していると思います。失った記憶、本家との関わり、今の主人公の環境を形作ってきましたからね。そして「大嫌い」と「大好き」という二律背反した二つの感情を持ち合わせた彼女を攻略
しようとするととても大変。心が不安定で病みやすく、常に崖際を歩いている状態。霞の「もし助けることを諦めて、今の現状維持で彼女に手を出しても私は責めない」といった様なセリフを受け取るぐらいヒロイン達の中では
ダントツに救う事が難しい。
だからこそ、最初(10年前)から最後まで文字通り自分(大介)を殺してまでずっと守ってきた主人公は凄いと思います。この√でようやく過去からの呪縛を振り払った感じがしますね。最後霞転校してくるし言うこと無し。
ただふたりの風流庵とかで、すぐヤンデレと化すヤンデレ娘に。
詩名√
活発系内心乙女後輩娘。一番可愛く書かれていると感じたヒロイン。主人公を慕う気持ちをちなつへの義理掛けの為に隠し、明るい部分しか見せてこないが心はとてもナイーブなヒロインです。
普段からちなつと主人公を囃し立て「お似合い!」を連呼し、ルートに入ると更にくっつけようとしてきます。主人公への気持ちが更に募った為と思われる。そこから逆に主人公が詩名の恋を応援するという流れに…。
世間じゃこの√の直樹は鈍感とかヘタレと言われていますが、実際にプレイしてみるとそうは思わなかったですね。いや、プレイヤーは外から見てるからそりゃ詩名の気持ちは分りますけどね。
まず√序盤じゃ直樹は詩名へ恋心は持っておらず、そういう時に更に「ちなつとお似合いなんだから早くくっ付いて」と言われ、更に「知り合いの知り合いなんですけど好きな人が…」という流れになればそりゃ自分は対象外
になると思うんですよね。詩名の好意を鱗片に感じるシーンがあっても「いや、あいつには好きな人がいるしなぁ」となりそんな時に亨に見せる笑顔をみたら勘違いしてもおかくしはないと思う。
最後は風流庵メンバーがそんな直樹の気持ちを揺さぶり自分の気持ちに気付かせる援護に入る訳ですね。ここじゃこの部分が高く好意的にほかのプレイヤーは見ていたらしいですけど、自分は逆においおいと感じた。
まず主人公は自分より好きな人を優先させる。これはちなつ√を見ても明らか。自分を殺すぐらいですから。だから今までしてきた「ゆびきり」を反故して亨と付き合っている詩名にアタックしろとはかなりの無茶だなと。
案の定BADじゃもうどうしようもなく精神的に参った主人公が見れます。詩名の恋の応援をすると交わしたゆびきり。強引に交わされたとはいえ亨を応援すると交わしたゆびきり。もうほぼ主人公的には積んでいるんですよね
これ…。
せめて亨が一生懸命大事にしようとしてたら納得はしてたかなと思いますけど、亨はよかれと思いチャライ男を演出し直樹の心を揺さぶりに掛けてくる。BADでそこまでウジウジしてるとは思わなかったと言われますが、いや
知らんがなと思わず呟いてしまいます。
だから詩名の気持ちをはっきりさせた方が実は手っ取り早い。みんな主人公の直樹に発破を掛けますが、そこまでしたら可哀想だろうと。もう途中から両想いだって気付いているんだから。色々個人的には文句が出る√でした。
でも詩名が一番可愛いとは思いますけどね!
織姫√
つばめ先生以来になる二人目の先生√。メモオフらしさを一番思い出させた√ですね。そしてサブヒロインの中じゃ一番気合いが入っている。END数が5個とか考慮しとらんよ…。
√の展開的には詩名よりもこちらが好き。途中まで先生と生徒という立場を両者とも意識してるのに、お互い顔を合わせれば自然と距離が詰まってしまい分っていながらも先生の自宅で過ごしてしまうという…。
いや、いいですねこれ。そして過去からの追撃。ちなつをただ狂わせた様なヤンデレが二人の仲を引き裂こうとします。これにはちなつも思わず唖然とする。基本的にはちなつは優しいんですよね。
BADではちなつとの二股√が解放に!そしてノーマルでは二人は学校を辞め慎ましく過ごすという切ないENDに…いや二人は幸せそうなんですけど凄いモヤモヤする。織姫役の野中藍さんは一番のお気に入りは
ノーマルENDで、インタビューで是非見てほしいと言っていましたね(笑)
そんな感じで一番シナリオ的にも恵まれていたヒロインだと思います。大人と子供っぽい所を上手く混ぜ合わせたキャラで印象も良い。アフターに期待しています。
リサ√
一言で言えば「リサ可愛い!」√。肝心の事件が外国で起きてるので悩み相談ぐらいしか出来る事はない。シナリオ的には一番平坦。全部「リサ可愛い!」に力を注ぎ込んでいる。悪くないと思います(笑)。
まぁ一番気楽にプレイ出来て今風なシナリオだと思いますね。肩肘を張らないでプレイ出来る。ちなつも「リサ可愛い!」の力の前では一蹴される。それ程に「リサ可愛い!」なシナリオで、物足りないけれど満足感
はある程度ありました。一番最初にプレイするのが良い感じだと思いましたね。
こんな感じで自分はプレイしてました。残念だったのが主題歌かな。今まではどれでもかなり耳に残る主題歌ばかりで印象に残るんですが、今回はそれ程でもといった感じ。映像は良かったです。
作品的には上から数えた方が早いという程シリーズの中では出来が良いので、アフターに期待しています。