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nezumoさんのChuSingura46+1 -忠臣蔵46+1- 武士の鼓動(A samurai's beat)の長文感想

ユーザー
nezumo
ゲーム
ChuSingura46+1 -忠臣蔵46+1- 武士の鼓動(A samurai's beat)
ブランド
インレ
得点
85
参照数
1318

一言コメント

やっぱり自分はこの作品が好きなんだなーと。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

一言物申す、こんなに面白い時代劇は他にあっただろうか


…今作の魅力はこれで良い尽くした気もするが、色々と思うところもあるので書いておきたい


以下、項目ごとにつらつらと




そこそこのポジションのサブキャラにもしっかりと立ち絵を用意しているという部分に感服する
前作でもそうだったが、本当にぬい先生には頭が下がる 普通モブだとかで統一してしまったりそもそも用意しない部分をしっかりと書き分ける
愛があるからこそ成せる技だと思う 勿論クオリティが下がっているなんてこともない むしろ前作よりも上がっている
絵の進化も魅力であろう 特に新キャラのロリ絵、とにかく可愛い
例をあげるなら、大高源吾、大高又次郎、桂小五郎あたりだろうか
目の書き分けが出来ているのも評価できるポイントで、新撰組の威圧感というものが上手く書き分けられているように思えた


CV

あえてこの項目を作ろうと思ったのは、声優さんの名演無くしてこの作品は成り立っていないと感じたからである
特に新選組の4人、今作では完全に悪役と言う位置づけだが、彼らなりの正義があり、それを感情を乗せて表現できるのは、このキャスト以外ありえないんじゃないかなとも感じた
新撰組局長としての近藤勇の武士道を死ぬ気で演じ切った一色ヒカルさん
無慈悲で攻撃的な性格でありながら、剣術と真剣に向き合おうとする土方歳三を演じ切った和水きなこさん
可愛い外見と声をしていながらも、戦いとなれば無慈悲な狂気を帯びた言動に変わる沖田総司を演じ切った北都南さん
左利きと言う長所とも短所ともいえる特徴を背負い、新撰組として全力を尽くすが、心中が読めない斎藤一を演じ切った藤咲ウサさん
特にこの4人には本当に頭が下がります
他の演技も勿論光っていて、前作からの忠臣蔵の面々は勿論、サブヒロイン的な位置づけであった桂小五郎(CV上原あおい)の演技も中々に響くものであった
圧倒的な演出に圧倒的な演技、この2つが組み合わさって今作の圧倒的な燃えが出来上がっているのは間違いない


シナリオ


・幕末タイムスリップまで

特別光る部分は無いが、普通のファンディスクが重んじてやっている部分である
特に前作に活躍したサブキャラたち(赤穂浪士)の殆どにエロシーンが用意されていたのは目を見張る部分ではないだろうか
これは本当にファンを分かっている証拠だと思う
ただ、直刃の取り合いなんかは嫌と言うほど繰り返されるので、確かにダレてしまう部分もあるかもしれないが、その場合はスキップしてしまっても構わないのではないか
個人的には死と隣り合わせの物語の中にあるゆるりとした部分という事で結構気に入っている


・幕末

これを熱いと言わずして何を熱いと言うのか
良くも悪くも本当の歴史に忠実に幕末の新撰組の動きを描きながら、アレンジを加えて赤穂浪士を活躍させていく
矛盾点などを炙り出すのは負け 赤穂浪士が幕末にいる時点でおかしいのでそういう部分は許容して見るべきである
ここでのメインヒロインはおそらく桂小五郎だろう 主人公に恋をする、出てる時間が長い、エロシーンが無い 何処からどう見てもメインヒロインの風格だ
もしかしたら葉山氏は桂小五郎が大好きなのかもしれない 彼女(彼?)の考え方の移り変わりも、ここでの魅力と言えるだろう

さて、勿論この章は新撰組と赤穂浪士のやり取りがメインになってくるわけだが、どうにも新撰組が悪役扱いされて過ぎているように思う
新撰組も新撰組で彼らなりの考えを持って動いているわけであり、それを否定してしまうのは勿体ない
という事で、赤穂浪士と新撰組の考え方の違いを比較してみたい

赤穂浪士
武士として実力のあるものが各地から集められて形成されている
主君のために生きる人生 主君の命は絶対である
武士道を重んじ、礼儀を欠かない
全ては仇討ちの為

新撰組
主要は農村出身の実力者たちの集まり 他のメンバーは自由に寄せ集め
京都で権力を振りかざして治安維持という名目で生きている とにかく実績が欲しい
組内の考え方がメンバーによって微妙に違い、武士道への捉え方にも差がある(近藤は武士道を最優先、土方はあまり重んじない、など)
全ては実績、功績の為

正直、客観的に見れば全くどちらが悪いとは言えないし、つまるところどちらも正しいと言って差し支えは無いのである
生まれる時代が160年も違い、時代は完全に変わってしまった その中で新撰組みたいな武士が出てきたとして、間違いと言い切ることは出来ないからだ
ただ、忠臣蔵と言う物語に心酔し、赤穂浪士が正義であるという考えの下で書かれているこの作品にしてみれば、新撰組はたちまち悪として扱われてしまう
実際この作品は赤穂浪士の物語であるから、新撰組はあくまでも立ちはだかる壁としての存在であって、彼らの存在が特別重視されているわけではない
それでも新撰組の活躍、新撰組なりの決意には同情してあげてほしい
彼らの存在があって初めて、赤穂浪士の活躍が光るというものだ
それぞれの決意を胸に秘め、全力でぶつかり合うことでこの物語は演出されている 新撰組がただの悪役であれば、これほど面白いとは思えないだろう


・個別

凄く懐かしくなります(主に原作が)
それぞれ現代で思い出の場所へ行き愛を誓い合う展開はとても懐かしい雰囲気を感じるものだった
そして最後の別れのシーンも中々のもので、現代に戻るという展開を抱えた以上、これより綺麗な終わり方は無いんじゃないかなと思う

ついでにここまでのエロシーンの詳細(体験版部分はカット)
ちなみに、一部は 動く!

内蔵助
・手コキ→フェラ→バック?
・クンニ→騎乗位→正常位

安兵衛
・69→騎乗位
・フェラ→愛撫→正常位

主税
・キス→愛撫→バック
・フェラ、乳首愛撫→クンニ→立位

右衛門七
・手コキ→愛撫→背面座位?
・手コキ→フェラ→正常位

一学
・フェラ→69→正常位?

早水藤左衛門
・キス→オナニー、フェラ→背面立位?

磯貝十郎左衛門、片岡源五右衛門
・(3P)素股&フェラ→フェラ→フェラ(磯貝)&正常位(片岡)→逆

間新六
・キス、愛撫→フェラ→側位?

武林唯七
・フェラ→愛撫→背面側位

奥野将監
・フェラ→正常位→ごっくん、顔射

斎藤一、沖田総司
・フェラ(極楽と地獄、行かなければ殺される模様)

奥田孫太夫
・目隠し拘束愛撫→拘束フェラ→手縛り正常位

不破数右衛門
・フェラ→愛撫→(片膝を抱えて)側位?

萱野三平
・クンニ→手マン→正常位

書いてて思ったが、悲しいほど語彙力がない ご容赦下さい


新八アフター

ああ、これのために生きてきた 長年待ち続けてついにこの時がやってきた 3章で新八と結ばれた後の物語である
基本は新八が無双しつつ主人公が助太刀をしていく、仲睦まじすぎてもう見ているだけで暖かい
戦闘は特に熱く、新八が目隠しを外して本気を出す場面はやはりテンションが上がらざるを得ない
多数の赤穂浪士を相手に1人で無双している新八の姿は本当に様になっていた おそらく、新八は今作で一番強いのではないか

さて、今作も健在な新八の可愛さについて言及しておこう
まず直刃一筋のところ、直刃の前でだけ見せるデレデレの可愛さ 脳が溶ける
他の女とイチャイチャしてるとすぐにやきもちを焼いちゃうところ 可愛い 脳が溶ける
同棲を始めてから直刃に依存しちゃうところ 後ろからのアングルで新八が寄り添ってるCG いつみても可愛い 脳が溶ける

まあともかく、新八の可愛さは健在どころか前作を超えた
加えてシナリオもかなり良い 最後に直刃を失って子供と共に生きていくことを決意する新八、不覚にも涙が出た(超単純)
とは言ってもコレ、かなり本気で泣けまして、実は本編よりも満足度は高かったなんてことは秘密にしておきたいと思う
そういう訳で、新八スキーの皆さんはこれだけでも十分楽しめるだろう CVおぐおぐ、√固有の歌唱おぐおぐのED曲まで用意されていて、流石人気投票1位と言わざるを得ない


誉れの三百石

これまた暖かい物語、足軽の身分で安兵衛の切腹を立ち会うなどと申し訳ないという事から身分を偽り、そこから始まった物語である
荒川十太夫の抱く、後悔の気持ちと倹約に対するやる気には心から同情してしまう
最後には物頭の位と三百石を頂くという何ともご都合主義でありがちな物語だが、この短さでこの暖かさは中々得ることが出来ないだろう


総評

おそらくこの作品の面白さは、殆どが葉山氏のテキストの素晴らしさにあるのだろうけれど、それ以外の要素も総じて良く、ファンディスクとして素晴らしい出来だ
前作よりもボリュームが劣ってしまうのは仕方のない話 そもそも前作があり過ぎただけで、フルプライス相応のボリュームと満足度である
始める前は前作の5章の戦闘から少し不安に思っていた部分が大きかったが、杞憂に終わってくれて本当に良かったと思う
千鳥に頼り切った超次元戦闘なんかではなく、3章までにメインだった真剣中心の戦闘が戻ってきたことが何よりの魅力だ
勿論演出も進化しており、前作に比べて更に動きが出ている(その分容量が大きくなってしまったのも事実だが→8.6GB)
戦闘の熱さを楽しむ分にも非常に完成度が高く、ファンの期待は裏切らない 結局自分はこの作品の信者なのだろう
忠臣蔵という物語はこれで完結してしまっただろうし、次回作が出るかは分からないが、次が出たとしても応援していきたい
それだけの充実感を得られる作品だった