古い。ゲームデザインがあまりにも古すぎる。だがそれがいい。
はるか昔。ゲームRPGといえば「何度も死んでクリアを目指せ」だった時代があった。
難易度の高さを、つぎこんだ時間で無理やり越えていく。
その過程でキャラに思い入れを生じさせ、ストーリーをより濃厚に味わってもらうようなゲームデザイン。
ランス10は、この古い設計思想によって作られている。
無料で遊べるゲームが多い昨今、こういった消化しにくい死にゲーは減ってしまった。
1つのゲームに時間をかけるくらいなら、さくさく遊べるほかのゲームを沢山遊んだほうがいいからだ。
遊ばれないだけならいいほうで、長くて難しすぎるとクソゲーと叩かれることも多い。
正直言って、商業的にリスクしかない。
しかし、だからといって、死にゲーが今のゲームに劣るわけではない。
もし、今の技術で、今風の絵で、今風のUIがあれば… 絶対に勝負になる 面白さをつたえることは、必ず出来るはずだ
そんなスタッフの意気込みが伝わってくるかのような作品だった。
明らかに難易度が高すぎるゲーム性、要求時間も多すぎる。にもかかわらず、秀逸なレベルデザインと重厚な世界観が楽しいを味あわせてくれた。
しかもシリーズを通して広げた大風呂敷を、どうにか畳むことにも成功し、きっちりグランドフィナーレを迎えてくれた。
もうこの時点で100点満点、とつけてしまう人が多いのも不思議ではない。
だが、個人的に満点をつけるのは遠慮したい部分がある。
というのはこのランス10、不完全なのだ。
shadeの不在、そろうことの無い4つの黄金像、JAPANの明らかな作りかけ部分、そしてなにより、エンジェルナイト襲来がないのがいただけない。
これは予算と納期の問題なのだと思う。
商業である以上、作りたいものをすべて作るわけにはいかなかったのだろう。
だが、それでも。アリスソフトが本気を出せば、さらにいいものが作れたのではないか。
そう思わざるを得なかった。
シナリオ(20/20)
エロシーン(17/20)
CG(19/20)
声優(0/20)
BGM(10/10)
UI(9/10)
不完全(x0.9)
音楽が心に残った(x1.05)
世界観がすばらしい(x1.05)
圧倒的な伏線回収(x1.05)
魅力的な敵男性キャラクター(多数)(x1.05)
全てのルートで燃える(x1.05)
大長編できれいな〆(x1.05)
シリーズとおして綺麗な〆(x1.05)
合計:94.97点