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nemuinekoさんの創作彼女の恋愛公式の長文感想

ユーザー
nemuineko
ゲーム
創作彼女の恋愛公式
ブランド
Aino+Links
得点
85
参照数
685

一言コメント

作品を丁寧に作っている所は好感が持てますが、肝心のラストシーンの描き方が駄目でした。それ以外の部分は良かっただけに、惜しい作品でしたね。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

どのキャラも魅力があり、日常の掛け合いも面白いので、最後まで退屈せずに読めました。
共通ルートでは、主人公が女たらしみたいに見えて少し違和感を覚えましたが、そんなに気になるほどの事でもなかったかなと思います。
キャラは逢桜が一番好きですが、ストーリーはエレナルートが一番良かったですね。
あとASのシナリオ設定は面白そうだなと思いました。永山ゆうのんさんの絵でASの小説でも書いてみたら、面白いんじゃないかなと思います。
あと、このゲーム、サブキャラが良すぎますね。特に結菜は本当に良いキャラで、攻略できないのが残念です。もしファンディスクとか作るなら、攻略させてほしいです。
あと逢桜ルートやってから、他のルートやると、逢桜が今どういう状況なのかが分かって、グッと来たりします。

逢桜ルートは事前にアペンドがあると公表していたので、最後は助かるんだろうな……と思っていました。
実際ゲームをクリアした時には、私は逢桜が助かったのだと思いましたね。
しかし、他の方の感想を読んでみると逢桜が死んだと書かれていて、確かによく読むと死んだように解釈できます。
OPの歌も、死んだと解釈した方がしっくりきます。
ひょっとしたらライターさんは、どちらにも解釈できるようにあえてこういう描き方をしたのかもしれませんが、これは駄目だと思います。
私は他の作品の感想でも書いているのですが、ストーリーが理解できないと何が面白いのか分からないのですよ。
以前、紺野アスタさんが、「映画『ハロー・ワールド』を見た。面白かった。」とツイートしていたので私も見てみたのですが、映画を見終わった瞬間、ポカーンとしました。原因は説明不足の一言に尽きます。
ラストシーンはおそらくこういう事なんだろうな、と想像はできるのですが、ハッキリと説明されていない為、感動などは一切なく、「え、何? どういう事? よく分からない」みたいな感じになったわけです。正直、紺野アスタさんがあの映画の一体どこを面白いと思ったのか謎ですね。
学校の勉強なんかも、そうでしょう? 理解できると面白いですが、理解できないとつまらないわけです。
ミステリーなんかも、謎が明かされた時に面白さを感じたり感動したりするものです。
感情移入も、「ああ、この気持ち分かる……」ってなると、読み手にキャラの心情が伝わってくるわけです。
そういうわけでラストシーンは、死んだなら死んだ。生きているなら生きているで、もっと分かりやすく描くべきでしたね。
その上で主人公の心情などを上手く描けば、傑作になったかもしれないな、と思います。