透明人間をテーマにした作品としては、良作だと思います。キャラ全員が魅力あると思うし、テキストも天才的に面白いです。センスありますね。亜芽ルートだけは面白くありませんでしたが、他のルートは普通に楽しめたし、良いゲームだと思います。
そもそも透明人間をテーマにした作品って、あまりないような気がします。泣きゲーとか輪廻転生とかミステリーとかはよくありますが、透明人間をテーマにしたエロゲーって見た事ないような……。(抜きゲーとかには、ありそうですが)
そういう意味では、未開の地に近い題材かもしれません。他の作品のシナリオと被らないという意味では、良いんじゃないかと思います。
透明人間がテーマという事で、発売前から透明化から戻れなくなるシナリオは予想していましたが、バーチャルアイドルと透明人間を結び付けたアイデアには感心しました。
亜芽:正統派ヒロイン好きの私としては、こういうヒロインは好きですね。ただ、個別ルートがつまらなかったです。面白くもないのに、ストーリーの説明の為に入れたみたいなシナリオのせいですね。他の方もコメントしていますが、シナリオに殺された感じです。
チトセ:面白いキャラで、好きです。葛ノ葉って妙に古臭い名字だなと思っていたら、そういう事だったんですね。悪い人がいなくなって良かったじゃんみたいなセリフのミスリードも上手かったです。これ、ミスリードですよね? 偶然ユーザーに、悪い人の正体を誤解させる結果になったわけではなくて。もし、計算してやったわけではなく、偶然だとしたら、「えぇ〜」ってなります。
冬羽:『サノバウィッチ』の因幡めぐるみたいな感じの後輩キャラ? こういうチャラチャラした感じのヒロインは好みじゃないんですが、楽しい後輩って感じで良かったです。
七夕莉:なんですか、この喋り方? こういうキャラ、他の作品でいましたっけ? たぶん他の作品のキャラをモデルにしてるんだと思いますが、思い浮かばない。
琥珀:一番好きなキャラです。クールな女の子の魅力というのを、上手く描けていると思います。もっと見ていたかったのですが、個別ルートが短いのが残念でした。ここがHulotteの難点なんですよね。キャラは魅力あるのに、個別ルートが短いという……。まあ、あんまり長いと、自分の興味のないキャラのルートがダレたりしますが……。
霧&紫緒:サブキャラ二人とも良かったですが、まさにサブの扱いなのが残念でした。特に霧さんが好きなので、メインヒロインだったら良かったなぁ……。
総評:Hシーンも頑張ってると思うし、BGMやDUCAさんの歌も良かったです。相変わらず、歌詞は独特ですが……。
日常会話も小技が効いていて、面白かったです。首根っこ掴まれた七夕莉が猫みたいに「にゃ〜ん……」と鳴いたり、「母なる乳は、俺のものだ!」とか。
個人的には、今年ようやく良作と呼べるフルプライス作品に出会えたという感じです。ここまでフルプライスは、これといった作品が無く、「今年のエロゲー業界、やばくないか?」と思っていた所だったので、少し安心しました。最後の解決をあっさりと片付けなければ、もっと良い作品になったかなと思います。