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nekotoumaさんの猫撫ディストーションの長文感想

ユーザー
nekotouma
ゲーム
猫撫ディストーション
ブランド
WHITESOFT
得点
96
参照数
692

一言コメント

考察ゲー。温かい世界、家族観などが好みなのもあってコレを超えるゲームは私の中ではもうでないかもしれない。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

まだいくらか解決してない点はあるが、その辺りのことを考えないでの点数。
内容が内容なだけに感覚ではわかるけど、自分の語彙力やその他の能力ではこの気持ちを言葉にすることはできない。
1周めでの感想評価だが2週目とかやるともっと多くのことに気づいたりして捉え方が更に広がるんじゃないかと思う

シナリオだけでいえばおそらくそこそこ面白いとは思うけど割と平凡な分類。
考えて考えて辿り着く場所はわかれるとは思うが自分なりに辿り着いた結論がこの点数ではないかと思う。

・おすすめ攻略順
柚をいつやるかが割と悩ましい。
シナリオと言うか各ルートやキャラ性質感じることが対極の位置関係にあるのでそれを考慮してやるといいのかもしれない
自分の攻略順
結衣→柚→式子→ギスモ→琴子
ギスもが一応メインみたいなことを聞いたのでこの順番。
柚のみ明らかに世界観が違うので先にやってしまうか、一度他をやってからその違いを見てみるか。
個人的には後者が好きなのでこの順番でいいと思う。



・対極の幸せ
柚(、ギスモ?)サイド
大切な人がなくなったり様々なことはあるけどその中で掴んでいく幸せを選んだ世界ではないかと思う。
ギスモはどちらかと言えばだがこちらよりだとは思うけどなんとも言えない。
結衣、式子サイド
歪で美しい理想の幸せ。
感覚的なものだが不幸がなくぬるま湯に浸かっていたい、幸せのその瞬間が永遠に続いてほしい。
そんな現実ではありえないそんな歪で美しい世界。

・対極の永遠(割と感覚ではわかるけど言葉にできないのでかなり曖昧どころか感じてることと違うこと書いてるかも)
結子サイド
上述のその瞬間の幸せの連続による永遠?(うまく言葉に出来ない)
式子サイド
ずっと続いていくけどでも様々なことが起きるような永遠?(うまく言葉に出来ない)

・観測者とは?
その物語を見ていた樹の存在?
シナリオライター?
このゲームをプレイしてる自分?
自分たちの存在する次元以下の存在は認識できるけどそれより上の次元の存在は認識できない
みたいなことどっかで聞いたことがある気がする。
普段はこれに従って大体のキャラは行動してるけど、時々明らかに三次元(プレイヤーやライター側)の存在に気づいてる発言があるような気がする。
その発言が樹に向けての発言なのか画面外の私達への言葉なのか?みたいなことを考えると捉え方はだいぶ広がると思う。
別のゲーム名を出すとするならすば日々の考察はこの3次元を考慮した時のことを思い出す。と言うかこのゲームの考察もいくらかその時の考え参考にしてる点はある。
古色の視点の分離とかもなかなかあれは面白かったねという余談。
電卓とかの神のお告げって絶対にこれライターなりプレイヤーの上の次元の人の思ってるであろうことではないかと。

・3本の電波塔のかこまれたエリア
プレイヤーがこの物語で見ることができる世界のすべての範囲?
・七枷家がその中心
物語の中心舞台?まだよくわからない
・公園で地面が青白く光ったこととか流星群のこと
観測者の介入?世界の分岐点?
感覚である程度はまとまってるが言葉にするとうまくできない。
どっちにしろまだ考察の余地は多い

・各シナリオごとにぼそぼそ
→結衣
すごい綺麗にまとまっていたと思う。
このゲームで最初にやったルートというのもあるがこのゲーム内の世界観を捉えるにだいぶ向いてるとは思う。
このルートで指し示す永遠は、
このゲーム内での物語は想像では続いてくことができるけど、シナリオとしては一度そこで完結してる。
その幸せの瞬間が永遠に続くという意味の永遠か?
3年前の永遠をの意味はお互いに観測したまま亡くなればみたいなものか?
再プ等でまだまだ考察の余地はある。
→柚
特にこれといった考察箇所はなかった。結衣ルートでわかったこととか当たり前のように無意識で考察していたことは除き。
現実の幸せを望んだ世界ではないかと思う。
→式子
理想の家族の姿?
25年前と3年前の世界での家族のことが原因バラバラはダメ!永遠にこの幸せをみたいな世界?
この辺りは割と感覚で掴んでいてうまく言葉に出来ないけど、すごい不思議で気持ちい感覚になれた。
→ギスモ
琴子の生まれ変わり的な存在を望んだ結果生まれたギスモと琴子がそもそも同時に存在してることがおかしい。
不確定な世界だったからこそ同時に存在できていたのではないかと思う。
結果的に最後の人間になった姿のギスモっぽい人は、
これまで(この物語が始まるまで)の世界で唯一の家族だったギスモといっしょにいたいと思った結果の生まれ変わり的な存在?
この辺りも割と感覚的なもののままで言葉にはできないが、
式子と比較すると家族のあり方は違う気がする。
また、どちらかと言えば柚みたいに現実の幸せ側のサイドの結末な気がする。
どうして猫は人間になれないんだというOPで出てきたあの単語と合わせて考えるといろいろくるものがある。
他のルートでもそうだがギスモは猫と人間の中間の曖昧な存在であることを頭に入れながら考えてみるといいのかもしれない。
猫として扱ってるから猫寄りとして観測される?人間側として扱ってるから人間寄りとして観測される?
→琴子
わりかし話全体まとめるというか世界観を捉えるのに少し補足しているルートだったという感覚が強い。
ここまででどれだけ世界観が掴めてるかで言ってることがわかるのかどうかの分かれ道ではないかと思う。

その他いろいろメモ
・可能性の連続とパラレルワールド
・物語内の観測者と物語の外の観測者
・天井裏の機械→物語の裏側と言ってるあたりおそらく機械音は私達の使っているPCの音を表してるのではないかと。
その他もろもろ(寝る前にこれ書いているので興奮してても頭が働かなくなってきてるから以下略の意)
まだ色々書き足りないし、割と重要な結論書いてなかったりする

・絵とかキャラ
どのキャラもかわいい。結子さんのCGで体のバランス変わってたり気になるところはあった気はする。
音楽
→OPが神曲BGMも綺麗

まとめ
評価どころか、たどり着く結論まで割れる作品だと思う。
何も考えず読むだけでは意味がわからなくて投げるし、割と平凡なところがあるので向かない人はとことん向かない。
言葉にできずとも感じたりすることが出来る人や考えて自分なりの結論を出せるなら神作品だと思う。
ただかなり時間をかけて考察しないとどうしてもモヤモヤが残ると思うのでその辺を許容したり、
数周したりして深く深く考察していく人向けだとは思う。
画面の向こう側画面の中の人物の視点等の切り替えができたりするなども欲しかったりもするのかな?
とりあえずはかなり人を選ぶ作品。
(2.5次元視点、考察、哲学的、家族)
↑の単語あたりを聞いてこれは面白そうと感じるのであれば現在の中古価格はだいぶ安いし手を付けてもいいと思う。
物理等の一部知識がほしいところもあるがその辺りはwikipediaとかチラッと見ればなんとかなる割と。