期待が大きすぎたが
やられた!
またしても、ギミックにひっかかってしまった。
おそらく、車輪などのこれまでにもるーすぼーい氏のゲームをプレイした人なら、
魔王が二章という序盤で正体らしきものを現し、兄という設定が出てきた段階で、
魔王=主人公の兄という推測は立てたであろう。
そして、その推測は裏切られない。叙述トリックに期待していた者は今回はハズレ
だなと落胆し、私自身、期待が大きすぎたとも思った。
そして、5章は終了する。
エンディング曲が流れ出すと、魔王の最期にふがいなさを感じながらも、車輪が
5章構成であったこともあり、あれで終わりか魔王様しょぼーんと無理やり納得
させられる。
ところで、エンディング曲は『雪の羽、時の風』だった。
THE BEST GAME VOCALS OF あかべぇそふとつぅを聴いたときから大のお気に入り
であった『Close Your Eyes』がエンディング曲として流れなかったことに疑問
を感じながらも、ハルエンディングで流れるんだろうと深く考えずに流してしまう。
そして、エンディング曲終了後にハルエンディングが始まる。
後は皆さん、ご存知の通り。
そう、プレイヤーは魔王の正体が今回の叙述トリックだと思っていたが、それは
プレイヤーに今回の叙述トリックは終わったと錯覚させるためのギミック。今回
の叙述トリックはハズレだと落胆させることさえギミックだったのかもしれない。
ダミーの叙述トリックを配置することで警戒心を削ぎ、なおかつ、それを利用し
た心理トリックを配置する二段構えの仕掛け。確かに車輪程のインパクトはない
が感嘆するしかない。
もし、私が車輪をプレイしていなかったら、魔王は本当にあれで死んだのか?と
疑っていたであろう。だが、車輪をプレイしていたが故にこれまでの構成はああ
だったから、これで終わりなんだと思わされてしまった。
なんとも悔しいではないか、そして喜ばしい。
それはともかく、これらの叙述トリックや推理劇はこのゲームの本質ではない。
やはり、ヒューマンドラマ。『Close Your Eyes』が流れ出すあたりからの展開
は、、、、、。花音シナリオも好きだ。関係ないがユキ様が好きだ。
細かい点でつっこみたいところは多々あったが、そして、体験版で期待したもの
を満たしてはくれなかったが、それを超えるものを与えてくれたゲームだった。