前情報を知らずに手を出したら途中で挫折する確率30%の作品。だがその30%に該当してしまった人は非常にもったいない人だ。
タイトルのとおりです。実はこの作品、三部作なんです。そうと知らずに第一部、つまり「DREAM編」の誰かしらをクリアした時点で「あ~、keyもクオリティが落ちたなぁ。やっぱり一発やだったか。」なんて早計をしてしまったとしたら…嗚呼もったいない。というのも今回のDREAM編は「AIR」という作品におけるプロローグといっても差し支えないぐらいの部分なのだ。当然プロローグから話のネタを解いていったら話が続かなくなってしまうわけで。
それでこの作品。人を非常に選ぶ作品…らしいです。私は結構、いやむしろかなり好きな話なんですがいわゆる「ハッピーエンド嗜好」の方々には受け入れられないみたいです。「作品として綺麗に終わっていれば問題なし」ってな思考をお持ちの方なら全然大丈夫かと。あとこれも泣きゲーの部類に入るんですがその関連では2003年11/3の時点ではまさしく究極の部類に属すると思います。その理由は音楽の項で。
音楽に関して。kanonに続き今作でも夏を彷彿とさせる曲が満載。むしろAIRの方がレベルが高いかも。そのくせシナリオを読んでいてもでしゃばってないところが良いですね。もう「業界トップレベル」なんて生易しいものでなく「業界トップ」です。また、ある場所で挿入歌が流れます。破壊力が「測定不能なくらいに抜群」です。もはや泣きゲーの最終手段というか上等手段という感じで今では使われる作品もありますが、AIRではあまりにもタイミングが良すぎて究極のカウンターとなっております。嗚呼、ホントすげーよ。OPも凄くて(略)。き~えるひこ~きぐも~♪
絵。相変わらず癖はあるが頭身が伸びたことですこしバランスが良くなった。上手くはなってる。そしてやっぱり読んでるうちに馴染んでくる。塗り最高。光の再現なんかもう凄すぎ。
総評。何度やっても心を揺り動かされる作品です。第二部に関してはホントに「アレだけでも商品として売れるんじゃねぇか?」と思えるぐらいに上手いです。それに全体として見てみると一個の作品として完成されている(綺麗であり美しい)ので「萌え~」だとか「あのキャラをこんな扱いにするとは許せん」なんて日ごろから言っているような人で”なければ”素直に感動できます。