異世界、モン娘、女教師の3要素を混ぜて煮込んだ作品。となればターゲット層も自然と3段階狭くなる。手コキが多めでモン娘物ならではのシーンも用意されているが、女教師の補習授業という設定がそれらのエロさを減衰させており、1枚絵に対して1回戦で終わりがちな主人公の淡泊さも残念。キスシーンがほとんど存在しないのも抜きゲーとしては落第点。既読テキストのアナウンス表示が邪魔なのも気になる。
冒頭から、地の文やモブキャラとの会話が人気の無いなろう小説レベルで
テキストはおせじにも上手いとは言えない。
ヒロイン達との初対面も、酔っ払いに向けてだとしても相手を馬鹿にするようなセリフを聞かされるのは印象が悪い。
その後の主人公との会話では声優の力もあってか一応、ヒロインにある程度の魅力は感じるものの、
問題はモン娘と女教師という設定がバッティングしている点。
製作陣はモン娘作品に需要があると考え企画したのだろうが、
モン娘というジャンルの一番の魅力は「逆レイプ」である。
つまり、何らかの目的で主人公の性を搾取する、あるいは無理矢理犯して楽しむ意思が必要であり、
その点では、本作の女教師として恋愛に奥手な主人公に補習授業をする設定は、
逆レイプ要素を真正面から否定することになってしまう。
プレイ自体は手コキやフェラや性器をゆるく拘束するなどのモン娘物らしいシーンが用意されているが、
結局は女教師としての手解きや勉強の範疇を出ないので
主人公視点でも身に迫るようなエロティシズムに欠け、興奮に繋がらないのである。
フェラ→本番など連続するシーンは多いが、1枚絵に対して1回の射精で終わることが多く、
本番で射精後に一旦抜いてまた再度挿入するといったシーンがないのは寂しい。
これは他の作品でも言えることだが、シーンごとのテキスト量は均一である必要はないし、
シチュやCGの出来が良いシーンは尺を長めにするなどの臨機応変さを持って欲しい。
そういった「こだわり」がユーザーにとっては熱として伝わり興奮を煽るのである。
日常シーンでもエロシーンでもキスシーンがほぼ存在せず、大半のシーン(CGごと)では1度射精すれば終わり。
個別ルートに入った後は一歩踏み出して恋人同士の関係になるのは良かったが、
エロシーンでは主人公は最後まで受け身でセリフも少なく「ヒロインを責める」という性衝動や意思が感じられず、
女性優位が好きな層にはこれでいいのかもしれないが、自分にはキャッチボールが下手な性行為にしか映らなかった。
どのヒロインもシーン数は共通ルートの方が多く、個別は割とあっさりと終わってしまうのも物足りない。
製作陣が「モン娘の女教師って最高にエッチだよね!」という熱い情熱を持って作ったのなら文句はないが、
自分には人気で需要のありそうなジャンルを手っ取り早く詰め込んだようにしか思えなかった。
システム面では、
シーン回想が1枚絵のCG表示時点から始まりそれまでの経緯が分からないのは良くない点。
その前の立ち絵での会話から開始すべきだろう。
これは今後の作品の方向性やクオリティにも関わる大きな点で、
要はそうすることで、立ち絵での会話に脱衣やキスシーンを入れようかという話になるのである。
また、
【既読テキスト】という特に必要性の無いアナウンス表示がそこそこの濃度で目立つ場所に常に表示され
オプションでも消せないのは邪魔なので改善して欲しい。
シーン回想でも何故かこれが表示されたままなのは不具合に近い。
■総評
絵は崩れるシーンもなく一定の質は担保されているので
見た目は悪くはないのだが、抜きゲーは結局のところ抜けるか、抜けないか。
主人公にヒロインを責める気がまるで無い点を許容できるかで変わって来るだろう。
エピローグ前まで敬語・先生呼びのままなのも壁を一枚挟んだ関係の様で気になった。
もう少し早めに対等な恋人同士の関係になっていれば印象も違ったかもしれない。