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nasuergsさんの超昂天使エスカレイヤー・リブートの長文感想

ユーザー
nasuergs
ゲーム
超昂天使エスカレイヤー・リブート
ブランド
ALICESOFT
得点
61
参照数
262

一言コメント

主人公とヒロインの関係性を主軸とした戦うヒロインもの。怪人とのエロは3割程度なのでその点は注意。シーン数は多いが全体的に尺やセリフが短めでおかず度は思ったより高くない。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

まずヒロインは本当の肉体は別にありバイオボディであることが冒頭に説明されるため
本当の肉体の方に執着がある人にとっては大きな地雷となる危険がある。
サブヒロインもシーン自体少ないがアンドロイドであるし
抜きゲという性質上、そこまでリスクを取るべき設定でもないので単にマイナス要素になっている感はある。

シーンは基本的に通常H、純愛H、鬼畜H、怪人Hの4種に分けられ。
通常H、純愛Hは主人公がヒロインと行い、鬼畜Hはヒロインを第三者とやらせるものが多い。
戦うヒロインものといえば敵との敗北エロを想像するが
この作品はあくまで主人公とヒロインの関係性をメインに描いている。

通常H、純愛H、鬼畜Hの各シーンはレベル1~3までの段階が存在し
見る度にシーンの濃度が増すシステム。
怪人Hにも段階はあるがこちらはレベル2止まりで
この点でも敗北エロがメインではないことが分かる。

また怪人Hに関して、出現した怪人の種類(場所)によってシーンが固定されているため
(例えば電車では電車用の怪人、レストランではレストラン用の怪人)
それまでにどんなHを経験したかは問われないことが多く
悪く言えば多くのシーンが単発のショートストーリーに過ぎない。

このジャンルの始祖的作品であるため後継作品と比べるのはナンセンスかもしれないが
順々にシナリオを読み進め、同じ敵に開発されていくような敗北エロゲと比べると
こちらは構成の面でエロの深度が浅く「堕ちる過程」の部分では弱いと言える。

オプションで眼鏡のオンオフが可能なのは良いが
主人公とのシーンが多い=変身前の姿でのシーンが多いということなので
本来のキャラクター性を考慮すると眼鏡キャラに耐性がない人はやや評価が落ちる可能性はある。

シーン尺に関しては年代を考えると仕方ないのかもしれないがCG1枚当たりの尺が短めで、
フェラと本番がセットになっている回想を1シーンと考えてやっと及第点。
つまりフェラを単独シーンとして見れば近年の抜きゲーでいえば尺はその半分にも満たない。

特に気になるのは、全体的にセリフ(と文字数)が少なく、
セリフの後に必ずと言っていいほど地の文(テキスト)が挟まるので
テンポも悪く、また形式ばった印象を受ける。
卑語に関しても、お〇んちん、お〇んこ程度なので
シーン数自体は多いが、ゲーム全体におけるセリフの文字数では
ミドルプライスであるLiLith作品と同等かもしれない。
もし続編を出すとすればシーン数を半分にして尺を2~3倍にすべきだろう。

冒頭エロ作品なので本来ならここから10点減点なのだが、
直ぐに唐突にオナニーを目撃するシーンがあり、ギャップを重要視する作品でもないので
これについては差置く。