寝取られ物としては色々と問題点がある。アヘ顔などの墜ちっぷりは素晴らしいのでこのギャップをシナリオで説得性を保って欲しい。
寝取られ物としての問題点だが
まず即墜ちであること。体験版の時点だけで墜ちる過程はほぼ完成している。
次に寝取られる男視点のシナリオがクリア後の特典のみ。
全編ヒロイン視点で進行するため「寝取られ」というよりは「浮気」であること。
浮気でも流されるような形ならばまだ良いのだが
このゲームでは「愛されていない」というのが行為に及ぶ主な理由である為
本当の恋人を裏切る際にあるべき所謂「背徳感」がとても薄くなっている。
クリア後の後書きにもヒロイン目線では「浮気物」としっかりと書かれていたが
これに関しての最大の問題は、商品説明に
『全部でシナリオが3つあり、それぞれのシナリオは視点となるキャラが異なる。』
と書かれている点だろう。この表記自体に偽りは無いのだが
ヒロイン目線以外のシナリオははっきり言っておまけ程度のものなので
「寝取られ物」を求めるものが「浮気物」を求めているわけではないことを考えれば
『全編ヒロイン視点でおまけで寝取られ側、寝取り側のシナリオ有り』という程度に
書くべきではないだろうか。
個人的に体験版をプレイして大半はヒロイン視点で進行すると予想はしていたが
全CGを回収するまで寝取られ側のシナリオが一切出ないとは思わなかった。
このゲームの売りであるアヘ顔を含む墜ちっぷりは素晴らしいのだが
それ故にシナリオへの負担は大きい。
なぜならその様な状態になる程に快楽を感じる理由を
シナリオによって説得性のあるものにしなければならないからである。
現時点ではそれは十分とは言えないと思う。
初エッチ(レイプを除く)では寝取られる男と過去の女性が
オーバーラップすることで快楽の理由として説得力はあったのだが
その後の堕落ぶりは経緯の短さとも相まって正直無理があると感じた。
ヒロインが純粋そうなイメージなので余計に落差が大きいのだが
そこは墜落度と整合性のバランスが重要になってくる。
流石に、ここまで墜ちが早く行為も突き抜けているとなると
それ相応の理由が無ければリアリティーを保持できない。
特に3、4番目のHシーンを過ぎた辺りからは
行為に及ぶことへの葛藤など微塵も感じさせない程なので
普段とのギャップを楽しむというレベルを超えてしまっていた。
そして、「一ヶ月間だけの関係」という期限について。
寝取られ物で期限を設定するというのはままあることなのだが
これは一般的に期限内我慢すれば恋人のところに戻れるという
「帰還への希望」があるからこその仕掛けである。
ただ、このゲームでは完全に情事を楽しんでいる関係なので
同じような効果は得られない。
結果として、この期限は寝取り側の覚悟だったわけだが
ヒロイン目線で考えればこの「一ヶ月」という期限には何の必然性も無い。
期限を決めれば関係を持っても良いということにはならないし
愛されてないことが原因ならば仮に期限を完遂しても問題の解決にはならないからだ。
むしろ、寝取られる側としてプレイしているユーザーからしてみれば
ヒロインがその期限を聞き入れて
「一ヶ月間ならどんな行為をしても良い」と免罪符に使ったり
「もうすぐ約束の一ヶ月が終わってしまう」と残念がったりする様子からは
寝取られる男への愛を感じることができず、感情移入の障壁となってしまっていた。
実際、ヒロインからは寝取られる男が昔の女を想っている事への
嫉妬や復讐などのニュアンスが見受けられる為
率先して行為をする事の動機の辻褄は合っているのだが
純粋な寝取られ物を求めるユーザーとしては
「背徳感」や「焦燥感」が少なく
その点は他の作品と比べてとても惜しいと感じる部分である。
他に気になった点としては
ややスカトロ要素が強いこと。
ギリギリの部分で抑えている感はあるが
個人的には「寝取られ」と「スカトロ」は両方が両方を喰う要素だと考えている為
「チン○ス」や「肛○の臭い」などのレベルでも厳しかった。
特に臭いに関するフェティシズムが強くその点でもユーザーとの温度差を感じてしまった。
あとは現実的ではない表現が見受けられること。
具体的には「10分間射精し続けた」や「射精でお腹がカエルのように膨れる」など
絵の誇張と文章の誇張は全くの別物なので
余りにリアリティーを欠いた状況説明が入ると
「それはないだろう」と冷静になってしまう。
音楽は全体的に穏やかなものが多いが
エロの表現が激しい為、少しアンバランスに感じた。
総括:
終わってみれば想像よりも短く、興奮度の面でも予想を下回ってしまった印象。
それだけ体験版が衝撃だったということでもあるが
販売サイトでの評価が過去作と比べて今一つというのはこの辺りに要因があるのだと思う。
あとは、やはり寝取られゲーとしての問題。
寝取られる男に感情移入してプレイするユーザーからすれば
「愛されていないと感じるので他の男に浮気する」というこのヒロインは余り好きにはなれないだろう。
主人公とヒロインが心から愛し合ってるからこそ寝取られた時の焦燥感や背徳感が最大限に発揮され
それこそが寝取られというジャンルの醍醐味だと思うのだが。
ただ、アヘ表現などの突き抜けた個性は目に見張るものがあるので次回作に期待したい。
基本CG数 9
各Hシーンの尺は普通で差分は多め
フェラ、シックスナイン、肛門舐めが1つずつ
ボリュームとしては2~3時間ほど
オススメな人:女性視点でもOKな人。臭いフェチな人。行為さえ激しければOKな人
オススメできない人:寝取られる男視点ありきな人。寝取られる男とヒロインに愛がなければ駄目な人
投票POV
寝取られ:C
上記の通り浮気物でヒロインの動機は寝取られ物としては致命的と言える。
それ故にその感情がまだはっきりしない序盤のエッチシーンが背徳感の最高点であり。以降はただ下るのみだった。
三角関係の描写(または葛藤)のある作品:B
表面上は葛藤しているがおおよそ寝取られ側は蚊帳の外。Cに近いB
スカッとするゲーム(スカトロのあるゲーム):B
絵での直接的な表現は放尿程度なものの臭いフェチでなければ厳しい表現が多い。ややアブノーマル趣向寄り
おかず:B
ほぼ絵と序盤(体験版内)だけの評価だがボイスが無いことを考えればかなりの高さ。
コンセプト自体が変わってしまうが単純に
「主人公と愛し合っていたけどレイプされて嫌なのに身体が墜ちていく」というものならば文句なくAだった。