リアリティーを求める人にはオススメできない。リアルさをコンセプトにしている様なのに、実際はファンタジー色が強くその部分で期待はずれ感はある。実妹も可愛いのだけど少し・・・
まず肝心の実妹について、なんだかプレイしていくにつれてコンセプトから逸れて行くように感じた。
終盤に差し掛かる頃には実は元々お兄ちゃんのことが大好きだったということが明かされ
結局はゲームの要である「リアル妹」という大前提から外れてしまった印象を受けた。
個人的には「キモオタなのに何らかの事件で惚れてしまうツンデレ妹」という展開を期待していたが
実際は「キモオタは飾りで実は昔から好きだったブラコン妹」という少し期待外れな結果だった。
全体的には良くまとまっており中央値が80というのも頷けるが、色々と気になる点も多い。
最も気になったのが栞ルートで顕著だが度々「妹視点に変わる」というもの。
どうやら製作者には主人公視点で物語を描くということにこだわりがないらしく
ゲーム冒頭から実妹と親友の会話シーンが挿入される。いわゆる第三者視点というものだが
そういうゲームと割り切ってしまえばいいのだが
この時点でプレイヤー（主人公）にとってのリアルさを重視しているわけではないんだな、と理解できる。
そして栞ルートに入ると妹視点での独白までもが挿入されるようになり
このまま妹視点でHシーンまで突入したらどうしようかと不安になった。
妹視点のシナリオは主に栞ルートの序盤を締めるが個人的に苦手なので強制スキップで飛ばさせてもらった。
義妹と神様とのやりとりなどもあった様だが共通ルートの別視点ということで
特に飛ばしても話の繋がりは理解できたので問題ないだろう。
次に二次妹ルートでの「実妹と二次妹の身体が入れ替わる」という完全なファンタジー展開。
一体この展開に必要性はあるのだろうか？ 確かにこの時点で栞ルートが開放されていないなどの
理由はあるにせよここまでファンタジーをやられてしまうとネガティブな印象の方が大きい。
入れ替わったまま情事となるが、普通に二次妹とのHシーンでは駄目だったのだろうか？
実妹を絡ませたかったのかアブノーマルなHシーンを盛り込みたかったのか
真意は製作者に聞いてみなければ分からないが個人的にはそれはリアリティーを崩壊させてまで優先すべき物ではないと思う。
そして二次妹そのものの設定。初めのうちはPCから出てくる瞬間の描写がなかったので
何らかの理由でやってきた少女と解釈しながらプレイしていたが
実際は本当にPCから出て来たということでリアリティーのリの字もない。
しかも義妹が乗り移っているというトンデモ展開で完全に付いていけなくなった。
ただこれは栞ルートのネタバラシで語られることなのでそこの配慮は良いと言える。
Hシーンに関しては回想枠が全7つと少なめだが、尺・CG数はそれなりでミドルプライスということを考えれば許容内か。
シナリオの傾向と同じく主人公の顔は隠れているがエロCGの大半が第三者視点なのと
その他のCGで主人公の顔が描かれている点はマイナスポイント。
色々と惜しい点もあり65点。ファンタジーな展開でも気にならないなら+10点。第三者視点が苦手じゃないならさらに+10点という所だろうか。