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narukamirenさんの乙女が紡ぐ恋のキャンバスの長文感想

ユーザー
narukamiren
ゲーム
乙女が紡ぐ恋のキャンバス
ブランド
ensemble
得点
84
参照数
497

一言コメント

クライマックスの演出と、峠越えのナポレオンのダブルコンボにやられた名作。ensembleの中では一番に楽しめた。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

ライターさんとメーカーの間にトラブルがあったようで、いろいろ言われていますが、改変前の作品をプレイできない以上どうしようもない。

ensembleの作品では、初期の女装ゲーと、今作と、お嬢様はご機嫌ナナメ、ゴールデンマリッジが特に大好きな作品になります。
中でも一番好きなのは、今作ですかね。
やっぱりシリアス展開での演出と音楽が最高でした。

今回の再プレイで気づいたことは、シナリオ量が割と少ないこと。
特に共通はヒロインのルートを選ぶうえでも、すごい少ないですね。
じっくり選べないと批判されるのもわかります。

まあ、私個人はこの作品が大好きなので、物足りないとは思ってもクソゲーとは思いません。

今回でおそらく三度目の再プレイ。
初期プレイから三年後と、四年後って感じです。
最初のルートは鳳怜奈。

このルートで特に素晴らしいと感じたのは、主人公とヒロインの初邂逅の文章ですか。
とにかく文章からヒロインの気持ちとか性格など、魅力的なところが読み取れます。
子供の言葉遣いを意識して書かれたんでしょうが、胸にくる綺麗な文章です。
個人的には、語尾を少し手直ししたいところですが、これは間違いなく改変前のシナリオでしょう。

そもそも、こんな優れた文章を書ける人なら、もっともっと面白い作品を生みだしていけたはずです。
ensembleというメーカーの作品で優れていると感じる作品は、ごく一部ですし。
この作品のトラブルを機に、ライターさんがエロゲーのシナリオから足を洗ってしまったのは、ensembleの罪でしょうね。
おそらく共通とか大幅に削ったんじゃないかなぁとか思いますよ。
まあ、改変前と改変後、どっちが優れているのかは永遠の謎ですね。

つり乙と比べるユーザーがいますが、女装ものというだけで畑違いの評価です。
どっちも面白いわ。