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naritatoさんのいただきじゃんがりあん ちょこっとあどべんちゃ~の長文感想

ユーザー
naritato
ゲーム
いただきじゃんがりあん ちょこっとあどべんちゃ~
ブランド
すたじおみりす
得点
50
参照数
208

一言コメント

『いただきじゃんがりあん』の出来が悪いお詫びとして配布されたエロゲ。スタッフロールまでおよそ1時間。お詫びだしこんなもんかな……そこに現れたのは川口さやかという鬼だった。

長文感想

ストーリーは麻雀の代わりにタイピングゲームで勝負して、制服を剥ぐという前作以上にぶっ飛んだ展開。

タイピングゲームとしては優秀。例えば「ジュース」という文字は「JUーSU」でも「ZYUーSU」でも「ZIXYUーSU」でも認識される。ヘボン式ローマ字を強要されることもない。

ストーリーモードでは2分以内にノルマを達成すれば勝利。ノルマは1億点などだがミスをしなければ得点が倍々になっていくので落ち着いてタイプすれば2兆点も取れる。

難易度は低めで、美和には一度負けたもののコンティニューであっさり勝利。
全員を倒した後スタッフロールが流れ終わったが、タイトルに戻らずストーリーが進行した。
隠しキャラ「川口さやか」がお出まし。こいつだけは他の連中と格が違った。

川口さやかとは?
『初代いたじゃん』では脇キャラとして登場したがほとんど出番はなし。『いたじゃんノベル』では少し登場したが出番の少ないことを自虐していた。
そんな彼女のノルマは点数ではなく「256メニュー」要は2分間で256文字をミスなしでタイプ。2.2文字/秒のタイプが要求される。

とりあえずやってみたところスコアは「78メニュー」目標の半分にも満たない酷い有り様。この後も何度か挑戦するもミスが重なり、なかなかスコアが伸びない。
そこで落ち着いてキーボードを見ながらタイプすことにした。結果はたったの「138メニュー」とノルマから程遠い。ここで悟る「キーボードを視ながら打つとノルマに届かない」キーボードを視ずにミスなく、素早く打つ必要がある。
スタイルを変えて再挑戦。しかしミスが続き、100メニューさえ越えられない。
「じゅーーーーーーーーーー! (原文ママ)」だの「裏庭には二羽鶏がいる」だの打ちにくい問題が混じるので、集中力を少し切らすとミスに繋がる。
気が付けば彼女と1時間近く格闘していた。罵られてコンティニューの繰り返しにうんざりしつつも、試行回数を稼いだ。

「処理落ちさせれば時間が遅くなり、落ち着いてタイプできるのでは?」
そんな考えが思い浮かび他のエロゲを同時起動させて処理落ちを試みた。タイプは処理落ちするが制限時間は処理落ちしないので逆効果。

そしてさらに1時間が経ちようやくノルマを達成できた。「285メニュー」2.37文字/秒のペースでのタイプに成功した。
2時間にも及ぶ戦いでのたった一度の勝利。数撃って当たった鉄砲玉の勝利でしかない。だが諦めなかったからこそ一度の勝利をもぎ取れたのだ。

「今更こんな古いゲームに真剣になって馬鹿じゃないか」という意見もあるだろう。尤もである。
2時間もあれば他のゲームを楽しめる。諦めればこのゲームに時間を費やすことはなかった。
でも俺は自力で勝った自分を誇りに思う。それでいいのだ。

どうでもいい話はさておき、エロシーンはスキップしてスタッフロールを見た後でゆっくり回想を観よう。ということでエロはスキップ。
翌日、回想モードがないことに気付く。彼女との戦いはまだ終わっていなかったようだ。