ヤコポの掘り下げは嬉しいものの、メインシナリオは本編と被るネタも多く辟易気味だった。一方でサブシナリオは素直に楽しめた。
Novectacle Collection版は起動時にゲーム選択画面(ファタモルガーナの館、外伝 -A Requiem for Innocence、セブンスコート等)が存在するため、アニメイトDL版とは部分的に異なる仕様の模様。
◆シナリオ
『ファタモルガーナの館』『霧上のエラスムス』『セブンスコート』『おやばけ!』『おやばけ!2』をプレイ済み。
『-A Requiem for Innocence-』は本編と同じ絵柄と同じ文体で同じような展開だったので、辟易気味だった。例えば「グラシアンの裏切り」。単体で見るなら苦楽を共にした仲間が敵になるというショッキングなイベントだが、『ファタモルガーナの館』『霧上のエラスムス』においても裏切りネタが存在するため、「またか……」という気持ちが強かった。グラシアンの剣は没収するのに、毒見はしないオディロンにご都合を感じたのも大きい。
本作に限った話ではないが、ショッキングな出来事は同作品内で繰り返すと陳腐化して衝撃が薄れる。エログロも新鮮味は薄れた。ラストのマリーアは過去一番に強烈だったが。
誤字チェックが甘いのも本編と変わっていない。威厳のあるキャラの台詞で誤変換をやられた際には、悲しくなってゲームを終了してしまった。
>バルニエ「逃亡など持っての他だ」(以ての外)
>グラシアン「…………俺が変わってやろうか」(代わって)
『セブンスコート』でしかイメオンを知らないので、『アセントデリ』で深く知ることになった。上記のように裏切り等に辟易した分、友情を重んじた結末が光輝いて見えた。
『ハピリーエヴァーアフター』は素直なハッピーエンドとして楽しめた。このシリーズにしては珍しくパロディが含まれていた。ほぼギャグとはいえ『セブンスコート』との関連の匂わせもあり。
『Fragment』は良くも悪くも無難。
『舞台裏』はギャグだが、『ハピリーエヴァーアフター』ラストの蝶の暗喩やイメオンの設定などはここで理解を深めた。そういえばパッケージ等でモルガーナとともに蝶が描かれていた。
◆システム
Unity製なので出来が悪い。短編のため本編よりダメージは小さいが。
幕間のビジュアルノベルパートでは変な背景のせいで、右上の文字が読みにくい。漫画の吹き出しから文字が飛び出ているようなイメージ。