ErogameScape -エロゲー批評空間-

naritatoさんのマザーグースの秘密の館 ~BLUE LABEL~の長文感想

ユーザー
naritato
ゲーム
マザーグースの秘密の館 ~BLUE LABEL~
ブランド
QuinRose
得点
60
参照数
110

一言コメント

トゥルーエンドまでクイズ500問。楽しむにはある程度の勉強が必須。英文の面白さを感じられるのは独自の強み。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

■朗読
203の歌を自由に聴くモード。シャッフル再生も可能。
全てにイラストが用意されており、雰囲気作りに一役買っている。
音声は日本語、英語、解説が用意されている。日本語と解説は女固定、英語は男女を選択可能。

■クイズ
メインモード。
10問で1セット。10セット全問正解で個別エンド。ヒロインは5人。
つまり最低500問解くことになる。多い。

固有名詞や歌の意味を問われるので、マザーグースを知らないと意味不明な問題がほとんどを占める。
ただし、Lボタンで原文を読めるのでカンニング可能。


自分は「ハンプティ・ダンプティ」くらいしか知らないレベルなので、ほぼカンニングして進めたが作業感が強い。
30問辺りで嫌気が差したので、覚えることにした。前述の朗読モードを数時間聞き流すことで、ある程度は暗記できた。
依然として答えられない問題も多かったが、理解できる問題もそれなりに出てきた。クイズゲームとしてある程度は楽しめるように……しかしクイズ500問の作業感は否めない。

■マザーグース
「A was an apple-pie」のような英語の韻を踏んだ文章や英語の方がリズミカルな「つみあげうた」など、日本語にはない面白さを含んだ歌がいくつかあり楽しめた。
「What are Little Boy Made of?」はエロゲ『Sugar+Spice!』のキャッチコピーになっていることにも気がつけた。

■共通ルート
本の中に閉じ込められた主人公。
本の擬人化ヒロインたちに「私たちのことを思い出してくれたら、元の世界に帰す」と言われてクイズに挑むことに。

■個別ルート
前述したようにクイズ10問ごとに進行。

マザーグースに興味がなく、ヒロインにも大して興味のなかった主人公が、クイズと会話を通してマザーグースとヒロインの魅力に気付く。
最終的にはヒロインを元の世界に連れ帰ってエンディング。

主人公「クイズ何問解けばいいの?」
ヒロイン「100問」
主人公「多い!」

5人とも同じ流れなので、毎回上記のやり取りをする。くどい。


クイズを解いた後のADVパートは、ほとんどがヒロインと一対一の対話なのが特徴。攻略中のヒロイン以外が会話に絡むことは少ない。
会話の内容は……雑学がほとんどを占める。クイズを解いた後に雑学を聞かされるので、読むのに疲れる。
しかし雑学はキャラ立ちに一役買っており、シナリオ展開にも有効活用されている。どのルートもそれなりには楽しめた。

テキストは大文字の強調が多くいまひとつ。

■トゥルーエンド
全員を攻略すると解禁。
時間軸は全員攻略後だが、一人攻略するごとに元の世界に帰っているので、整合性が取れていない。「クイズ100問? 多い!」のやり取りも説明がつかない。

■総評
マザーグースの知識が無かったので、主人公と近い立場でマザーグースの面白さを追体験出来た。
しかしクイズ500問でトゥルーエンドという大胆な構成はどうにかして欲しかった。