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nanonano_tさんのノラと皇女と野良猫ハート2の長文感想

ユーザー
nanonano_t
ゲーム
ノラと皇女と野良猫ハート2
ブランド
HARUKAZE
得点
100
参照数
1135

一言コメント

ノラとと1の全ルートはTrueENDの前の個別パートでしか無かったのではないか、そう感じるほどでした。

長文感想

正直なところ、そこまで期待していませんでした。ノラとと1ではらぶおぶの頃にあったセリフの掛け合いの面白さも薄れ、安易なお涙頂戴作品になってしまったように感じていたためです。
ですがそれは大きな間違いでした。ノラととは安易なお涙頂戴ではなく、完璧な泣きゲーでした。


ノラとと1も2も基本的な友情や家族、親といった話のテーマは変わっていません。では何故これほどまでに泣けるシナリオになったのか?やはりそれは1をプレイすること、そこから2までの1年半という時間、その間に挟まれたメディアミックス展開によって受け手である僕らの感じ方が変わったことにあると思います。
1の失敗点は個人的にはサブキャラを描ききれていなかったところにあったのかな、と感じていたところがありました。それは具体的に言うと井田やノブチナの存在ですね。1での彼らは所謂良い悪友ポジで、肝心な場面で助けてくれるというのが役割でした。そこに友情とかそういう物を感じていい話だなぁと思えれば良かったのですが、1の段階ではまだそのキャラが完璧には定まっておらず、それだけに受け手側も感情移入がし辛く、その展開が薄い友情ごっこのように感じてしまうところがあったように思います。

それが今回では曲りなりにも1をプレイしたことによるキャラクターへの理解の深まりや、発売直前にやっていたアニメなどで改めて全体的なキャラクターの認識をライターと受け手とで近づけることに成功した結果、各々のキャラクターが抱えているものを汲み取った上でしっかりと感情移入出来るようになり、あぁいい話だったなと思えるようになったのでは無いかと感じました。


ここからはもう他愛もない感想なんですけど、とりあえず凄くびっくりしました。泣いてしまったことに。まさかノラととで自分が泣くなんて思いもしませんでしたし、それこそ上で書きましたように1では安易なお涙頂戴になってしまって~とか思ってたくらいなので、増してエロゲで泣くのなんてリトバスぶりとかそれくらいレアなケースだったんで、とても、とても驚きました。

はとさん、劣化したとか思っててごめんなさい。最高でした。