いかにも女性上位・M男向けっぽいあらすじ・設定だがエロ描写はS男好み寄り。典型的な「シチュエーションだけ」「逆転有り」。BLルートありで主人公受けエロシーンの描写は良いが、見かけに反して声がほぼほぼ女声などの難点があってBL感は薄め。
女性上位・M男向けの作品には、普通のエロゲには無い常識が求められる。
エロシーンにおいて、男側もある程度以上には描写・描画しなくてはいけない。
単にボンデージで鞭打たれたり、超強気ヒロインに襲われたりする、
というシチュエーションだけ設定しておけばいいというものでもない。
女性上位・サディスティックなヒロインの言動の描写と、あわせてM男がいたぶられる描写、両方必要である。
そうでなければ「女が男の上にいる・支配している」という描写にならない。
「女が男の上にいる・支配している」という描写さえできているなら、
別にわざわざ鞭打ちや足踏みのような、これ見よがしなMシチュエーションを用意せずとも、
普通の正常位性交でも早漏などで女性上位・M男向けのシーンは成立する。
本作はというと、せっかくヒロインに襲われても、
搾精シーンなのにヒロイン側が必死すぎるなどで精神的優位があまりなかったり、
フェラされて顔射して「ヒロインが汚されて」終わってみたり、
顔騎をしてもヒロインの方が恥じらってみたり、
鞭打ちのCGが鞭をかまえてるもの1枚だけで「打たれてるCG」がなく、しかも何度も使いまわしされて代わり映えがしなかったり、
そもそもヒロインが普通に犯されたり緊縛されたりという男性上位なシーンも多々
などという有様。
ヒロインが汚されたってM男ちんぽはピクピクいたしませんよ。
汚されたいのはこっちなんですから。
それでも雅から蝋燭責めされながら犯されたり、桜が童貞の教え子を犯してるシーンがあるなど
女性上位・M男向けなシーンが皆無というわけではない。
どちらも「女が男の上にいる・支配している」描写がCGでも、テキストでもできている。
この意識を作品全般でできてればよかったのだが。
そして本作にはBLルートが存在する。
政美と慎二。
政美の方は…声が見かけに反してほぼほぼ女声という難点を抱えている。
通常のシーンではそれでも男声を演じる配慮もあるが、エロシーンはその余裕がなくなってしまう。
それでも政美が男であることをはっきりと意識させるシナリオにはなっており、
エロシーンでは攻めとして主人公を掘ってくれる。
ギャルゲにでてくる攻略可能な男って受けのことが多いから、希少価値でもある。
ノンケである主人公が痛がり気持ち悪がりながらも、段々と良くなってホモに染まってく描写はなかなかの出来。
私は男にも支配されたいのM男なのでこれはいいですね。
ただ…政美が男だっていうのは、TSFエンドの前フリなんですね。
女声なのはその伏線だったのかもしれない。
政美が主人公のために女になった、というのはそれはそれで素晴らしい愛だとは思うのだけども
同性愛に染めにいってるエロシーン描写の出来が良いだけに、肩透かし感は拭えない。
主人公も「せっかく目覚めかけたのに…」と言っている。
政美が男で終わるエンドはバッドエンドしかない。
その一つに「主人公が女装して街角で体を売る」エンドがあるのだが、CGが足元しか表示されない。
「似合わない女装」って私大好きなんでね…見たかったですね。
ご都合主義な超常現象が平気でばんばん起きる世界観なのでTSFも非常に安直にできるらしく、
性転換自体にシナリオ的な重さは特にない。
そして悲しいことに本作の設定・デザインを流用した責められてシリーズから政美は外されるのである。
別に男装ホステス…男装ヒロインとして出せばよかったろうに、流用するCGが足りないからだろうか。
慎二にはエンディングはないが、
銭湯にてアクシデントで慎二が主人公に覆いかぶさるようになるCGが1枚ある。
セーブデータによるとシーン名は「慎二との抱擁」。
しかも主人公が興奮してしまうのだが、残念ながらエロシーンには発展しない。
主人公がホモに目覚めた、何が目当てだ
「俺の顔か?」「俺の身体か?」「俺の股間か?」
などと言いがかりをつけて罵倒はしてくれたんですけどねえ。ええ全部だよ。
「慎二との性交」はぜひ見たかったものだが、責められて~パック~に付属の親友編でも慎二との性交はない。