ブランド新路線一作目。最低限は抑えているが・・・
エロく、かつ読めるエロゲーを作っていくらしい。で、今作はその第一作になるわけだが、表題のとおり最低限だ。シナリオが物足りない――この一言に尽きる。元々アニメ化する作品を手掛けたブランド故に(俺はef未プレイかつ未視聴)、エロについてはもちろん、シナリオにも期待する層は多かっただろう。
ダメというほどでなく、起承転結は簡潔で読みやすく(簡潔すぎたのだが)、“最低限”なのだ。やはり、批評空間の中央値にそれが出ているのではないか。
以下、以下、作品に関して、ネタバレ含め感想。各ヒロイン(シナリオ)について、評価点、不満点、と続く。
≪感想≫
あやめ
おそらく、最初に選択。このロリ巨乳とどんなエッチできるんだろうと、下心満載だった。しかし予想に反し、一番話が読めるルートだった。天然ボケなヒロインの性格が一変、ハラハラドキドキしつつクリックした覚えがある。
翠
元気な幼なじみ系なキャラ。物語は平凡、というか主人公に違和感ありすぎ。あれだけひねくれたキャラぶってたくせに、「俺もこの村にとどまり、翠と一緒に大事にしていく」みたいなことを言ってる。そりゃあ、あれだけ可愛い彼女ができれば一緒にいたいだろうけどさあ。
恋
ヤンデレブラコン。キャラ自体はむしろ好印象なんだが、声優さんの声が合わんかった・・・。どうもああ、甲高い声だと、抜くにはちょっとね。シナリオはヨスガEND。あと、破瓜の血をなめさせるのは、ちょっとマニアック過ぎてNG。
透香
グランドルート。だが、それだけのシナリオが組まれているとは、正直言い難い。多分、この作品の評価を落とすにあたって、その決定打がこのルートなんじゃないかな。とにかくご都合主義がひどい。SEXで不治の病が治せれば、そりゃあ苦労しないわな。
≪評価点≫
・エロにおいて、抜ける。かつ、シナリオとのバランスが取れた構成を取っている。というのが、各ヒロインが回想3回(一人4回)だが、その一回に本番が2回以上、多けりゃ4回とか。しかも差分とかじゃなく違う体位で描かれている。シナリオの途中で何回もエロシーンが入って中断されるとダレてしまう。ので、今作の構成は非常に好ましく思える。
・どのルートも、無駄なく、起承転結がしっかり取れていて、なかだるみしない。
・ヒロインと、彼女らを取り巻く夏の田舎町がとても魅力的であった。
≪不満点≫
・シナリオに無駄がないというのは聞こえがいいが、最低限でしかない。それゆえにご都合主義に感じるし、カタルシスに欠ける。
・登場人物が主人公、ヒロインのみ。費用削減のためか、人物名がつく役は、メインの計4人のみの出演。この登場人物の少なさからもあってか、シナリオに広がりを持たせられないのではなかろうか。
・主人公のキャラも、シナリオ同様薄い。まずヒロインに近づく理由も、自分の能力ありきだし、どうしてお互いに好きになったのかよくわからず感情移入できない。俺からすれば、自称理系のすました痛いヤツにしか思えない。
≪総括≫
最終的に批評空間で今の点数に落ち着いているのは、やっぱりシナリオが期待通りになっていないからじゃないだろうか。ぶっちゃけ、エロに関して文句のある人は少ないでしょう。
ただ、コンセプトとしてはアリ。というか、まさに俺がエロゲーに対して求めているものだ。