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nanaya220さんの冥契のルペルカリアの長文感想

ユーザー
nanaya220
ゲーム
冥契のルペルカリア
ブランド
ウグイスカグラ
得点
95
参照数
1420

一言コメント

決して万人受けしないゲーム

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

この物語は“あらゆるものがひどく複雑に見える。ところがみな至極単純なことなのだ”
妹は兄のことを愛していて、ただ兄に幸せになってほしかっただけだったのだろうと思う
月を手に入れることができず、兄からは嫌悪される。どうしようもなくて。残された方法は大切な人の記憶に残ることだけ
そう考えて行動した結果。大切な兄が不幸になろうとしている。
生きて幸せになってほしい。
その願いから生まれた世界で舞台。

言葉遊びはこの辺で、感想やら思ったこと
視点はコロコロ変わるし、同じような回想シーンは何度もあるというほかの方の感想があるが、この物語のテーマ上、視点がコロコロ変わるのは仕方ないし。印象付けたい回想は反復してしまうのは仕方ない。それをどうとらえるかはユーザーの自由だ。
個人的には視点の変更は文脈的にわかりにくいということもないし、回想シーンも鬱陶しいってほどではない。
自分が気になるのは白髪赤目やオニキスの不在証明など過去作をやっていないと理解できないワードの説明がすくなかったのではないかな?ということくらいだと思う
あとは、最後のCGで琥珀がいることにもやもやしている人がいるが、虚構世界では舞台装置として登場していたが、現実にいる人物かの説明はなかったので自分も悩むところ。
たぶん、虚構世界の登場人物という解釈でも、たまたま劇団ランビリスを見に来た名もなき現実世界の住人という解釈どちらでもいいのだと思う。実際の演劇も同じもので解釈の違いでストーリーが変わるし。ルクル氏は解釈をユーザーに一任したのではないのかなと個人的には思う。(一応、氷狐と未来が会話する最後の方のシーンのセリフで才能なき凡人と誰のことを指しているのかわからないワードがあるので)
琥珀を完全に虚構世界の住人と解釈すれば、主人公もヒロインたちも火事では助からず、天国か来世で劇団ルペルカリアを立ち上げたことになるし
琥珀を虚構世界では舞台装置として役割を押し付けられた現実の住人と解釈すれば、火事から無事に助かった主人公たちが劇団ルペルカリアを立ち上げたということになる
どちらの解釈も間違っていなだろうと思うので、どちらの解釈が正しいと思うのはプレイしたユーザー本人が決めてよいのだろうと思う