おしい!もう少しアルベルト公国での内容を追加して、エンディングを見直せば、結構高評価になっただけにもったいない。「せ・き・ら・ら」はゲームを小さく綺麗にまとめようとする傾向があるが、今回は裏目に出た。印象として、「料理を食って、まずくはないけど、何回も食いたいと思うほどではない。」てな感じ。
設定的には惹かれる内容なのに、内容がついていけてない。
寵姫を手に入れて、ハーレム人生のゲームかと思いきや、ハーレムエンディングは非常にあっさりしており、むしろキャラ別にチカラが入っていた。
イワユル恋愛ゲームの色が濃い。
絵
全てのキャラクターに特徴がない。
かと言って描き分けができていない分けではなく、ヒロインとしての華がない。
全員あっさりした印象を受ける。
しかし、立ち絵、イベント絵はしっかりかけており、あっさりした絵の割にエロは濃い。
立ち絵の表情変化が大きくない為、あっさりした印象になっている模様。
紅潮した顔は、よく見ないと分からない。どれが「普通の顔」で、どれが「驚いた顔」で、どれが「泣いた顔」か、セリフなしに判断するのは困難である。
また、所々、小さな画面でカット絵が入るが、あまりにひどい。落書きに色を塗った様にしか見えない。なにを考えているのか。
絵の頭身から、デフォルメにしたかったのかもしれないが、はっきり言って画力がない。
前衛芸術なのかもしれないが、理解できない。「みんなでニャンニャン」では綺麗に描かれていたので、対照的であった。
また、効果としても疑問がある。入れなければならないから無理矢理入れた様相を呈している。
シナリオ
特に可もなく不可もなく、安定した内容。
内容は、アルベルト公国で医療活動に従事し、女帝病の特効薬を発見した礼に、公王より寵姫を二人もらう事から始まる。いきなり帰国した所からゲームが始まる為、序盤混乱した。
アルベルト国内での経緯を、スターターとして少しでも付けて欲しかった。
ストーリーはタイトルの通りである。内容的に、もっとやりまくりの方が良い。
ふたなりのエクセルが微妙な立場で、もっと他の女性キャラと絡めば、面白いと思うが、実質2シーンのみでは勿体なさ過ぎる。
関係ないかもしれないが、七瀬ていくつだ?大学を卒業して、インターンを経て、すぐに海外に飛び出しても、帰ってきたら30は確実に過ぎている筈。うーん。
ゲーム
選択肢はわずかに5つで、どれを選んでも無難なエンディングに行き着く模様。
ヒントモードはないが、難易度はあってなきが如し。
声
ティナの声が非常に不自然で、棒読みに近いと言って良い位。本来はもっと上手な声優さんなので、ミスキャストと思える。活発な役の方が合っていたと思う。
また、漢字の読み違いやイントネーションの違い等が多々あった。
「寵姫」を「ちょうひ」と読んだり、「約定」を「やくてい」と読んだり、近年希にみるレベルの低さであった。
しかも、声優さん次第で、正しく読んだり、間違ったりしていることから、録音時に監督は何もしていなかった事が伺える。テレビであれば始末書モノだ。
システム
最近のD.O.系、共通の右クリック、画面右にメニューが出るタイプ。バックログで声が再生されないのが残念。
まとめ
「トラヴュ」と同様、中規模のそこそこのゲームをつくる「せ・き・ら・ら」らしいゲーム。
もう少し、前後付け足して欲しい。
ストーリーは明確な縦筋が無く、何となく全員と過ごし、誰か選ぶor全員ハーレム内容のみではよろしくない。
4人しかいないのだから、全組み合わせエンド位、作る根性が欲しかった。
このままでは安物ソフトを多数製作するブランドになりかねない。
「ELF」の「SILKY’S」の様に、失敗が続くと、ブランドが無くならないかと心配である。
良い例が「闇雲通信」である。(新作発売後、2ヶ月以上たっても次回作表示無し。出来がよくなかった。)