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nanaplazaさんの尽くしてあげちゃう4 ~私たちの蜜月~の長文感想

ユーザー
nanaplaza
ゲーム
尽くしてあげちゃう4 ~私たちの蜜月~
ブランド
トラヴュランス
得点
60
参照数
574

一言コメント

尽くしてシリーズの4作目。1~3と比較してシナリオレベルが大幅DOWN。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

尽くしてシリーズなので購入したが、予想以上にレベルが低く、落胆した。

絵 相変わらずの志水氏であるが、絵の描き込みが少ない。エロ以外のイベント画が殆ど無い。
トラビュが看板原画家の為、忙しいのかもしれないが、ゲームそのものも含め、エロ以外のイベント画が少ないのは手抜きと言わざるを得ない。
キャラそのもののレベルも低下が著しい。
尽くしてシリーズ1作目をプレイして見れば、現在と昔の違いがよく分かる。

シナリオは壊滅的。
ヒロインとの関連づけが致命的にヘタ。
4人のヒロインは、以前から主人公と面識がある設定だが、ヒロインを一同に集めて、「この娘は~さんで、~の~で…」てな紹介はあんまりである。こんな紹介の仕方であれば、キャラ紹を読んでいた方が、余程細かく分かる。
この時点で物語りと同調できなくなり、主人公に感情移入できず、他人事の様な視点でプレイする事となった。

シナリオ的にも前3作に比べ、非常に暗い。どのヒロインを選んでも暗い。お笑いの要素も全く無く、シリアスに暗い。
プレイしていて問答無用に楽しくないのである。

主人公はヒロインの一人をかばって事故に遭って死ぬが、最新の(人体実験の様な)治療を受けて復帰する。
しかし、未知の領域に踏み込んだ治療の為、発作を起こして何時死んでもおかしくない。
この状況で、ヒロインのいずれかと結ばれる。てな感じのとんでもなく暗い設定。
まだ、ここまではいいが、ヒロインの一人は殺し屋で、一人は妖精と言う、ぶっ飛んだ設定には本気で頭痛がした。
尚かつこのぶっ飛んだ設定のまま、シナリオが進行し、最後には何故かハッピーエンドになる理解不能な世界である。

ゲームそのものは難しくなく、キャラ選択でドンドン進んでいくので、シナリオを読む分には何ら障害はなかった。
ゲーム性を求められると、無いと言わざるを得ない。

まとめ
所謂「尽くして」シリーズの中では最低の評価しかできない。
シリーズの明るくのほほんとしたイメージをぶっ壊した作品となった。
しかし、このシリーズには共通したテーマらしきモノが無く、3、4には「のりか」も登場していないので、全く別作品として違うタイトルで発売しても分からないと思う。
シリーズは1、2は共通した世界観があったものの、3で全く違う「ヤリゲー」になり、4で多分「感動モノ」(を狙って失敗した)になっており、一貫していない。
シリーズの共通テーマが欲しいところである。