これこそ、「蒼の彼方のフォーリズムの」そして「有坂真白のための」ファンディスク
やったぜ!!数年前、日本中のエロゲーマーを感動の渦に巻き込んだあの傑作青春アドベンチャー『蒼の彼方のフォーリズム』待望のFDがついに発売だ!しかも第一弾はぼくが大好きな有坂真白ちゃん!よーし、ぼく真白ちゃんと思いっきりイチャイチャしちゃうぞ!!!
……そう、このnanachanとかいうオタクのダダ漏れな思考からもお察しの通り、一般的にFDは、ゲーム本編でヒロインに恋しちゃったエロゲーマーたちの「もっとあの子とイチャイチャさせろよゴルァ!!!」というほとばしる熱いパトスを満足させることを目的に製作されることが多いです。特に『あおかな』は、いわゆる萌えゲーではなかったので、とても魅力的なヒロインたちが揃っていたにもかかわらず、ぶっちゃけると本編では彼女たちと十二分にイチャイチャラブラブすることはできませんでした。だからまあ、『あおかな』ファンたちの本作を待ち望む想いは、尚一層イチャりたいってなもんだったでしょう、たぶん、きっと。
そして、この漲る欲望っていう点について本作を見てみると、それはもう良いものだったと思います。真白ちゃんと一緒にお勉強したり、メイド服でご主人さまって呼ばれたり、海でおいかけっこしたり、手作りお弁当をあーんしてもらったり、膝枕してもらったり、お風呂に入ったり、満天の星空をロマンチックに眺めたり……。頬が筋肉痛になるんじゃないかってくらいのニヤニヤの連続でしたよ。特に、個人的には、猫っぽさある真白ちゃんが「にーにー、はにゃにゃ~」言ってじゃれついてくるのがもうヤバすぎて本当にありがとうございますって土下座する勢いでした。
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まあとにかく、期待してた真白ちゃんとこいびとどうしですることぜんぶは最高で、これだけでも大満足だったんですけど、このFD、それだけじゃなかったんですよね。プレイ時間的な割合でいうと、このイチャイチャパートはせいぜい半分くらい。それじゃあ残りの半分はというと、それこそが本作の特徴的な部分でもあり、また本作を、一言感想にも書いた『蒼の彼方のフォーリズム』という作品の、そして有坂真白のためのFDたらしめているものといえましょう。
この残り半分の部分、大まかに言うと、「真白ちゃんが先輩とのデートの準備を頑張る」ターン。先輩とのデートを成功させるために、真白ちゃんが苦手だった料理の練習をしたり、おしゃれに気を配ったりします。
で、まず一点目。このターンは、昌也と真白の二人という構図を離れ、真白の頑張りを他のあおかなヒロインズが手助けするという形で描かれます。ヒロインたちが昌也の好みを調べたり、その調査をもとに料理の特訓をしたり、一緒に服を買いに行ったり。和気藹々としながらみんなで真白を応援する彼女たちの姿は、形は違えど、本編で仲間として支え合い、高め合った姿を思い起こさずにはいられませんでした。
この「みんなで」頑張るという部分は、間違いなく『蒼の彼方のフォーリズム』という作品を語る上での無くてはならない要素であり、そして、あの本編を見届けたユーザーならばもう一度見たいと思わずにはいられないものでしょう。ともすれば、主人公とヒロインの2人に焦点を当てる都合上、FDではないがしろにされてしまいがちなヒロイン同士の関わり合い。しかし、これがあるから『あおかな』なのであり、だからこそ本作は『あおかな』ファンに贈るアンコールにふさわしいものといえましょう。
そして、二点目。これは有坂真白という女の子がどんな人間であったかということに関わること。
言ってしまえば、彼女はちょっとだけ不器用な普通の女の子。彼女は明日香やみさきといった怪物や天才たちとは勿論、莉佳たち同世代とも大きな実力差がありました。それゆえ、人一倍努力をした少女。それでも報われない悔しさに涙した少女。しかし決して諦めず、最後には天才へと挑んだ少女。それが有坂真白という女の子。
本作でも、そんな普通の女の子の彼女には、料理が苦手という弱みがありましたし、それを中々克服できずに落ち込んだりもしました。最初に作ったクッキーなんてダークマターそのもの、食べた窓果が卒倒するほどでした。けど、それでも諦めずに練習して、美味しいと言ってもらえるお弁当を作れるようにまでなりました。先輩に可愛いと思ってもらえる努力を惜しまずに、着馴れないフリフリのワンピースにもチャレンジしました(かわいい)。
とにもかくにも、本作ではフライングサーカスという舞台を離れても、彼女の一生懸命で頑張り屋というところは変わらず、「がんばれ真白ちゃん!」という気持ちにさせてくれました。それすなわち、彼女の魅力をこれでもかってくらい引き出すことに成功していたということ。彼女が精一杯努力するというお話は、彼女の魅力を噛みしめ、もっと彼女を好きになることができる、まさに有坂真白のためのFDであったといえましょう。
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そんなこんなで、本作は単なる真白ちゃんとのイチャイチャFDを超えて、『あおかな』の雰囲気とキャラクターたちを楽しむことができ、そして真白ちゃんをもっと好きになる、正直これ以上ないと思っちゃうくらいに最高のFDでした。
いやまあ、白状すると、ヒロイン単独で約5000円ってどうなん?って思ってましたよ。でも、こんだけ素晴らしいのを出されると、もう脱帽と感謝しかないです。エロ3枠少なくない?ってのも、真白ちゃんが2回もちんこをしゃぶってくれたので、ぼくには文句の付けようがありません。
ありがとう、そして、次もよろしくな、Sprite。