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nanachanさんのゆびきり婚約ロリイタの長文感想

ユーザー
nanachan
ゲーム
ゆびきり婚約ロリイタ
ブランド
夜のひつじ
得点
85
参照数
2249

一言コメント

こんなんだめなおとなになるに決まってるやろ!!!

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

いきなりですが、ワタクシnanachanは常日頃ソフトロリコンであると主張しておりまして、ソフトロリコンとは「ラ○ドセル背負ったようなガチロリ路線にはあまりそそられないが、少し年下の後輩、妹、友達の妹等、及び同い年・年上であっても見た目がちょっと幼い感じな子には抜群の適正を示す性癖のこと」を指すのでありますが、これはひとえに精神的に幼すぎる女の子を攻略対象として見ることが難しいためであるんですね。だからまあ非攻略対象のようじょを愛でるような感覚で眺めたり、あるいは凌辱ゲーやエロマンガで無垢ロリを思いっ切り犯し尽くしたりすることは全然大丈夫で、むしろバッチコイといった感じなのですが、こと純愛系の恋愛ADVについて言えばどうしてもガチロリに触手……間違えました食指が伸びなくて、精神的に大人びたソフトロリを主食として生活するということになってしまっているわけです。


んで本作「ゆびきり婚約ロリイタ」を見てみると、設定や見た目は明らかにガチロリのそれなんですよね。しかしそれでもなお点数を見て頂けるとおわかりの通り、本作の鈴佳ちゃんはぼくの琴線に触れたわけです。それは鈴佳ちゃんが成熟さと幼さを兼ね備えた素晴らしきロリだったからなんですね。

正確に言えば、2008年編の鈴佳ちゃんは年齢からするとかなり大人びていると感じはしましたが、それでもまだ「愛でる」対象だよなあという印象。しかし、2011年編の3年経って成長した鈴佳ちゃんは年相応の”女の子”としての幼さ、危うさ、無垢さを残しつつも、他方で物事を一人前に考えられたり、立派に恋だの愛だの語ったり、主人公を対等に支えたりすることが出来るような”女”としての一面も併せ持っていました。ぼく自身ガチロリに造詣が深くないのであれなんですが、それでも自らの少ない経験から言わせてもらえば、純真無垢な幼さか、年齢不相応な成熟さかのどちらかに振れ切れてしまうのが多い印象。その中で本作の鈴佳ちゃんはもはや奇跡的と言っても差し支えないようなバランスで成り立っていました。しかも「一時はこっちで、また別の時はこうで」といった不自然さも無く、また彼女がこのようになった理由・背景というものも、テキストからスッとごく自然に頭に入ってきます。こんな鈴佳ちゃんだからこそ、庇護の対象としても、恋愛の対象としても、肉欲の対象としても見ることが出来る。しかも成熟さがあるからこそ双方向の、まるでパズルのピースがかっちり嵌ったようなそんな愛を感じ取ることが出来るし、幼さがあるからこそ純愛性ってものがより際立つ。本当に類稀なロリで、このキャラ造りには脱帽しました。こんなんだめなおとなになるに決まってるやろ!!!


ぽろり氏の秀逸なテキストは本作も健在で、心地良く安心感のある地の文、主人公の心の機微が伝わり思わず感情移入してしまうようなモノローグ、会話の言葉選びのセンス、語彙力が貧弱なので最終的には「最高!!」ってしか言えなくなるんですが、本当に大好きです。このテキストがあるからこそ、えっちシーンも映え、シコも捗る。今回もやってくれましたね、「鈴佳の処女だけじゃない。一番最初の卵子も手に入れてしまうつもりで。」っていう表現、ぼくのちんこにグッと響きました。

さらにはシナリオ。「好きだからこそわるいって感じる。わるいって感じるからこそ安心できる。お互いに借りを作って返し続ける、そのために生きていける」そんな愛のカタチ。特別なことは何も起きないけれども(いやまあ「ロリっこ娶って孕ませる」ってだけで超特別じゃん!って感じかもしんないですが)、「ごめん」と「好き」で紡がれる物語に惹き込まれました。


そして、このテキストとシナリオを支えた原画とCVも素晴らしかったですね。うさ城まに氏のぷにロリっとした柔らかい絵は、本作の雰囲気と非常にマッチしていましたし、ロリとの体格差をしっかり表現してくれた挿入シーンや、小さなお口で一生懸命にちんこを咥えこむフェラシーンはクオリティ高いシコのために大きな役割を果たしてくれました。声優さんはぼくは聞いたことが無いお名前の方だったのですが、幼さと成熟さの狭間の少女を見事に演じきってくれたと思います。端的に言ってぼくに非常に刺さりました。


総括すると、正直ガチロリゲーが得意ではないぼくがこれほど気に入るとは思っていませんでしたし、自分が得意ではないジャンルだからこそ素晴らしいと胸を張って言うことが出来ます。ここまで感想に付き合って頂いたそこの貴方、一緒にだめなおとなになってみませんか?