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nanachanさんのゆきこいめるとの長文感想

ユーザー
nanachan
ゲーム
ゆきこいめると
ブランド
FrontWing
得点
94
参照数
2619

一言コメント

ピュアガとイノガの系譜を受け継ぎつつもイチャラブ萌えとの融合を上手く果たした素晴らしいイチャラブ萌えゲーだ

長文感想

本作にはまあすんごい高得点を付けたわけだけど,まずその大きな理由の一つがヒロイン全員と「えっちしたい」って思えたこと。エロゲやってると大抵「勘弁してください(真顔)」とか「まあえっちしてやっても良いよ(上から目線)」ってくらいな娘が混じってて,そのヒロインのルートをやるモチベーションを維持するのが結構難しいってのは多くのオタクが感じていることなんじゃないかなと思う。特に「この娘とイチャイチャしたるでぇ」っていう欲望以外の外部的牽引力に欠けることになりがちないわゆるイチャラブゲーではこの傾向が顕著で,別に好きでもない娘とのイチャイチャを延々見続けなければならないのは俺自身は時に苦痛に感じることもあるくらいだ。そういうわけで俺はイチャラブゲーってのが基本的に得意ではなく,萌えゲーでも外部的牽引力を併せ持っている作品が好きで,萌えゲー業界がイチャラブ特化全盛になってしまうことに危機感を抱いてもいるんだけど,その話は長くなってしまうからここでは割愛。

とにかくまあ経験則から言って積極的に「えっちしたい」と思えるヒロインなんて打率5割くらいあればまあ良し,7割から8割くらいあれば本当にありがとうございますってくらいだから,全員と「えっちしたい」って思えた作品は,個人的な満足度は凄く跳ね上がる。そんでそのことが本作を高評価する大きな要因となっているというわけだ。


次にそういった色濃い主観を出来るだけ排除して,本作がどういった作品かということを若干述べたい。フロントウイングのかまい先生ラインの前2作であるピュア(意味深)とイノセント(意味深)からすれば明らかに萌えゲー寄りにシフトしている。個別ルートはどれもシリアス一切無しでずーっとイチャイチャしてるんで,「爆発しろ」ってのがまさにぴったりな作風に仕上がっている。端的に言えばいわゆるイチャラブ萌えゲーってのに分類できると思う。いいぞもっとやれ!

しかしある面ではこれら2作の系譜,つまりは馬鹿さと変態さからくるノリの良さをしっかりと受け継いでいる。先程イチャラブゲーは外部的牽引力に欠けるというのをちらっと述べたが,山なし谷なしになりがちなイチャラブの中に上手い具合に融合したこのノリの良さが,それ自体外部的牽引力となって読み進めるモチベーションの維持に一役買っていると思う。俺自身はヒロイン全員良いなって思ったから本当のところは分からないけど,読んでいて「楽しい」と思えるイチャラブは上で述べたように見続けるのが苦痛っていう風には少なくともならないんじゃいかな。

そして肝心のイチャラブの質自体も,先程の楽しさや,テキストにハートマークを多用するという技巧なども相まって,各ルートとも高水準にあると思う。特にたるひルートのイチャラブは二人の掛け合いが本当に幸せそうに見えて,その間に割り込んで「俺の嫁」って叫ぼうとする気なんて欠片も起きなかった。イチャラブってのは主人公とヒロインとの二人の掛け合いだから,本当に質の良いイチャラブって主人公が凄く好ましく見えるからこうなっちゃうんだよね。個人的には今年最高クラスのイチャラブになると確信しているので是非プレイしてみてはいかがだろうかと全力で布教したい次第である。


そしてここでまた濃ゆい主観の話に戻るけど,萌えゲーになってもやはりかまい先生ラインといった感じで,本作の主人公が性に対して積極的だったっていう点も評価したい。特に雫里ルートと嘩音ルートの主人公は漢らしかった。エロゲ主人公はもっと「ちんこで考えろ」よ,エロいことしたいって欲望に正直になろうよってのは以前「夏めろ」の感想で書きましたので,もし興味がお有りでしたらどうぞ。

nanachanさんの「夏めろ」の感想(ネタバレなし)
http://erogamescape.dyndns.org/~ap2/ero/toukei_kaiseki/memo.php?game=8299&uid=nanachan

さすがにまあ「夏めろ」の主人公クラスとはいかないにせよ,萌えゲーでは結構珍しいくらいに「ちんこで考える」主人公であった。それに合わせてヒロインの方も「まんこで考える」的な部分は強くなっているんだけど,えっちぃイチャイチャだけじゃなくて純粋なイチャイチャも充実しているから,萌えという点もおろそかにはされていない。個人的に「この娘可愛ええ」ってヒロインの魅力がプラスされていくのは純粋なイチャイチャの方にあると思ってるので,この点もしっかり処理してくれていたという感触です。その辺のことに関しては以前「ココロ@ファンクション!」の感想に書きましたので,宜しければこちらもどうぞ。

nanachanさんの「ココロ@ファンクション!」の感想(ネタバレあり)
http://erogamescape.dyndns.org/~ap2/ero/toukei_kaiseki/memo.php?game=19029&uid=nanachan


エロについては,ピュアガとイノガに比べると若干シコリティが落ちた気はしないでもないが,それでも萌えゲーの範疇では確実にトップレベル。シーン数もたるひ7,嘩音6,私雫里6,雪姫6という充実っぷり。コンドーム推進派としてはたるひにコンドームえっちが2シーン用意されていたのが非常に嬉しかったです。あと今回のおしっこ姫は名前の通り?雪姫。こちらも2シーン用意されている。特に2シーン目の雪上でのフェラしながらの放尿観察は中々にグッと来ました。そして今回も主人公はちゃんとおしっこを頂くよ!


という感じだが,不満点が無いではない。一番はたるひルート以外は個別に入ってから付き合うまでの過程が非常に短いという点。個人的に付き合う前の描写,特に好感度MAXなのにモヤモヤしてるあたりがニヤニヤポイントなので,そこが薄いというのは手痛い。

エロに関しては,雪姫が制服と私服の2パターンしかないのはちょっと芸が無かったかな。あとはこれ凄い重要なことなんだけど,前作までとカップ数は同じでもCG上は明らかに巨乳化が進んでいたのは残念だった。

また購入を検討する際に注意しておきたい点が,既に述べたように馬鹿さや変態さが混じるということ。そのためイチャラブに「綺麗さ」を求める方には向かないかもしれない。


総括すると,個人的には非常に満足できた本当に素晴らしいイチャラブ萌えゲーだった。ほらよ今のところの萌えゲー最高得点だ。持ってけ泥棒!!!