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nanachanさんのHHG 女神の終焉の長文感想

ユーザー
nanachan
ゲーム
HHG 女神の終焉
ブランド
ういんどみる
得点
86
参照数
3841

一言コメント

キャラ萌えとシナリオが高水準で調和のとれている中々にレベルの高い作品。個人的には前作よりも楽しめました。でも,「完全新作」と謳ってはいたけど,やっぱり続編でしたねこれ。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

キャラ萌えとシナリオが高水準で調和のとれている中々にレベルの高い作品。個人的には前作よりも楽しめました。でも,「完全新作」と謳ってはいたけど,やっぱり続編でしたねこれ。

まずは,ういんどみるさんお疲れ様でした。まさか10月のあの騒動から1か月で間に合わせてくれるとは思いませんでした。さぞかし大変だったことと思います。


さて,内容の方にうつりますが,一言感想にも書きましたが,前作同様キャラ萌えとシナリオがどちらも十分に堪能できて満足しました。どちらの面も単体で見ると本作より優れていると思う作品はありますが,バランスという点から見ると,現時点では2013年で一番良かったです。

本作の構成は,弥生・エイプリル・キサラギは幹となる一本のお話があって,そこから各ヒロインの個別に派生するといったもの。この点は前作と変わりないです。ただ,幹となるお話はストーリー性重視で,各個別はキャラ萌えという棲み分けが前作よりもはっきりしているように感じました。最後の葉月は光理END・メフィストENDに分岐します。

キャラ萌えという観点で見ると,①前作よりもヒロイン数が減った,②最初からヒロイン同士の仲が良くて絡みが多いという理由から,一人一人の登場機会が多くなっており,それぞれの魅力を十分に伝えることができていたように思います。(ただ,エルアリアだけは設定上仕方ないのかもしれませんが,登場機会が目に見えて少ないのが残念。)それに加えて,各個別は萌え方面にほぼ全てのリソースが割かれているので,十分にキャラ萌えを楽しむことが出来ました。まあ,好みのキャラが多かったというのも大きいかとは思いますが。

シナリオという観点で見ると,前作のような各陣営間の競争関係が存在せず,上述のようにヒロイン同士の仲が良いので(別に前作で仲が悪かったとは言いませんが),基本的にワイワイした平和色の強い感じで進みます。その中で946くんが命を狙われたりなどと適度にスパイスが織り交ぜられるし,前作プレイ済みの方であれば自然と気になるような要素が小出しにされるので,中だるみとも無縁でした。また,幹となるお話の各終盤はどれも熱い展開で,前作のキーキャラクターが登場したりするものもあって,盛り上がりは十分でした。オーラスだけは前作の方が面白かったかなーと思いますが。もう少し皆で一丸となって立ち向かう的な部分を厚くして欲しかった。最後のまとめ方は良かったですし,感慨深くもありましたけどね。やはりと言っては何ですが多少強引な部分もありましたが,全体としては大変に満足しています。

最後に,「完全新作」という触れ込みであるため,一応前作未プレイの方への注意喚起を。上の感想はやはり前作をやってこそのものだと思います。話に置いてけぼり気味になりそうだったり,盛り上がりきれなさそうだったりする箇所が散見されました。有名どころで例えると,マブラヴとオルタくらいのつながりまではありませんが,CLANNADと智代アフターよりは関連性が強い気がします。ノベルゲーで良い例えがパッと出てこないので他で例えると,FFXをやらずにFFX-2をやるようなものみたいな感じでしょうか。この例えが一番しっくりきますね。一応前作未プレイでもやってやれないことも無いと思いますが,楽しみ尽くすには前作プレイはほぼ必須くらいに考えてもらった方が良いかもしれません。


<推奨攻略順>
弥生・エイプリル・キサラギはぶっちゃけ好きなところからやって構わないと思います。
ただ,葉月は光理→メフィストを強く推奨。

<お気にヒロイン>
メフィスト,サリー,綾媛

<お気にルート>
キサラギTRUE,エイプリルTRUE,メフィストEND,サリーEND


世界観・雰囲気 13/15
シナリオ 23/25
キャラクター 14/15
サウンド 8/10
グラフィック 8/10
システム 4/5
個人的補正 16/20
総合 86/100